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Q1 放射性物質と空間線量率

全般

事故後初期は放射性セシウムの他、ヨウ素やテルル等の放射性核種の広い範囲での沈着が確認されましたが、被ばく線量の大部分は放射性セシウムによるものです。

事故により多くの種類の放射性核種が大量に放出されました。放出された核種の種類と量について複数の機関により推定が行われました。

放射性物質

土壌中の放射性セシウムは時間とともに徐々に深さ方向に浸透していきます。地中に浸透すると、土による環境ガンマ線遮蔽効果が大きくなるため、空間線量率が小さくなります。

撹乱のない平坦地における放射性セシウム沈着量(Bq/m2)はほぼ半減期に従って減少してきました。このような場所では、水平方向への放射性セシウムの動きは小さいことがわかりました。

空間線量率

事故後に継続して取得してきた大量の空間線量率測定データを統計的に処理して変化傾向を明らかにし、その結果に基づいて将来予測を行ないます。

生活環境における 空間線量率 の特徴を調べるために 歩行サーベイ を用いた測定を行ってきました。生活環境における平均的な 空間線量率 は道路上より高く、平坦地よりも低いことが明らかになりました。

森林内の多数地点で空間線量率の減少傾向を調べました。森林内の空間線量率半減期に近い割合で減少してきたことがわかりました。

空間線量率の減少傾向は、土地利用状況及び人間活動の有無によって異なることが分かりました。

空間線量率や土壌沈着量は時間とともに減少してきました。森林以外の地域では、空間線量率半減期による減衰に比べて顕著に早く減少してきています。

結果の公表

マップ調査等で得られた成果を報告書としてまとめ、インターネットを通して公表しています。マップ調査等の測定データに加え、各省庁及び地方自治体が測定した環境データも一緒に集約してデータベースを構築し、「放射性物質モニタリングデータの情報公開サイト」として公開を始めました。

「放射性物質モニタリングの情報公開サイト」では、詳細なマップ作成や経時変化の確認等、ユーザの知りたい情報への可視化(地図作成、グラフ作成)を支援するツールを提供しています。

大規模な環境測定で培った測定技術やデータ処理技術を応用し、福島の路線バスや公用車に空間線量率測定器を継続して搭載・測定し、生活環境における空間線量率の結果をリアルタイムに近い形で配信しています。

測定手法

土壌に沈着した放射性核種の種類・濃度・深度分布などを調査するために、目的や状況に応じた調査方法を適用しています。

空間線量率の調査では、広域から特定の地点まで把握したいスケールや位置分解能に応じた調査方法を適用しています。

正確な強さのわかった標準線源を使った測定器の値付け(校正)や、使用されている複数の測定器を同時に用いた比較測定を行うとともに、外部有識者によるチェックも実施して測定の信頼性を確認しています。

Q2 被ばく線量評価

全般

放射線による被ばくは、人体の外からやってくる放射線による外部被ばくと、呼吸や食事により放射性物質を体内に取り込むことによる内部被ばくに分類されます。福島事故では沈着した放射性物質による外部被ばくが重要な被ばく経路です。

事故直後の被ばくにおいては、放射性ヨウ素である131I(半減期8.02日)等を吸入することによる内部被ばくが重要であったと考えられています。福島事故による1歳児の甲状腺の等価線量は最大で約30mSvと推定されました。

内部被ばく

食品中の放射性セシウム濃度の検査は、福島県等により綿密に行われてきました。特に米については全量検査が実施されています。一般食品中の基準値(100Bq/kg)を超える放射性セシウム濃度の食品が市場に出回らないよう管理されています。市場に流通している飲食物を摂取することによる年間の被ばく線量は、1mSvに比べて十分に低い値であることが確かめられています。

飲料水中(水道水、飲用井戸水)の放射性セシウム等の検査が福島県や各都道府県で実施されています。最近の測定結果では、飲料水の基準値(10Bq/kg)を超える放射性セシウムは検出されていません。

空気中の放射性セシウム濃度の連続測定が川俣町山木屋地区の異なる環境を選んで行なわれました。事故後数ヶ月以降の137Csの大気中濃度は概ね0.001Bq/m3以下の低いレベルで推移しています。0.001Bq/m3の放射性セシウムを呼吸することによる年間の被ばく線量は、1μSv(0.001mSv)以下と評価されます。

体外計測装置を用い、体内に取り込まれた放射性物質の量を測定することができます。事故直後には主に放射性ヨウ素を対象に、その後は放射性セシウムを対象に多くの測定が行われてきました。

外部被ばく

空間線量率に基づくモデルによる推定、ならびに個人線量計を用いた測定により事故直後から現在までの住民の外部被ばく線量が求められてきました。事故後4ヶ月間の追加被ばく線量はほとんどの場合3mSv以内、最近の年間の追加被ばく線量は1mSv以内と評価されています。

空間線量率に基づく推定法の精度を高めるための取組みがなされ、現実的な被ばく線量の評価が行えるようになっています。

放射性セシウムが沈着した地域に建つ一般家屋の線量低減係数(屋内と屋外の空間線量率の比)は平均すると0.4程度になりますが、この係数は状況により様々に変動するため、大まかな目安として使用することが必要です。

人体を模擬した模型(ファントム)や人体に個人線量計を装着して福島の異なる空間線量率レベルの地点で測定を行い、空間線量(周辺線量当量)と個人線量の比較が行なわれました。

福島における空間線量率は場所により大きく変化します。単純な仮定に基づく推定方法では、人間が生活する様々な場所での空間線量率の変化やそこでの滞在時間を現実的に考慮した推定ができません。

外部被ばく線量の測定・評価法は、1. 個人線量計を用いた測定、2. 空間線量率に基づく推定に大別されます。それぞれ長所と短所があり、これらを良く知った上で使用することが大切です。

線量の基礎知識

被ばく線量を表すのに実効線量(Sv:シーベルト)が用いられます。サーベイメータで測定される周辺線量に0.6をかけることで実効線量が得られます。

一般に、体のサイズが小さくなると、体自身による放射線に対する遮蔽効果が小さくなるため、外部被ばく線量が大きくなります。
シミュレーションによりこの影響の程度が明らかにされてきました。

Q3 放射性物質の動き(森林)

森林内外の移動

福島県東部の阿武隈川流域及び浜通り主要河川水系では、放射性セシウムのうち137Csは70%が森林に、次いで田を含む農地に多く沈着しています。

事故後の森林等への137Cs初期沈着量約370TBqのうち、海には1年間で約1TBqが放出されたと推定されます(請戸川・高瀬川の例)。

森林からの土砂や枝葉等の流出によって、表面線量率が一時的に高くなることはありますが、空間線量率の変動には影響しない程度です。

福島県内の調査事例では、放射性セシウムを含むスギ花粉を吸入することにより受ける被ばく線量は極めて低く、また、スギ花粉中の放射性セシウム濃度は、時間とともに減少する傾向にあります。

大規模な降雨の際に、森林からも土砂とともに放射性セシウムが流出します。しかし、森林内の沈着量に比べて、流出量は非常に少ない状況です。

流域全体から流出する放射性セシウム量は、斜面からの流出量と比較して、より少ない可能性があります。これは、斜面から流出する放射性セシウムがすべて河川に到達していないことを示唆します。

山地森林から流出する土砂の放射性セシウム濃度は、時間とともに減少する傾向が示されています。

林床から流出する放射性セシウム量は、林床が落葉・落枝で覆われる面積が大きいほど、少なくなる傾向があります。

土砂が流出しやすい環境(下層植生が乏しい等)において、放射性セシウムを含む微細土壌粒子の流出を防止する技術の検討を行っています。

森林に隣接する場所でも、大雨や強風で空間線量率を上昇させるような飛散はみられていません。

山間部で風が吹き抜けやすい林道付近においても、大雨や強風で空間線量率を上昇させるような飛散はみられていません。

福島県内における針葉樹、広葉樹の調査結果から、森林内の放射性セシウムの大部分は、落葉層土壌に分布しています。また、時間の経過により、放射性セシウムの蓄積量は、樹木(地上部)で減少、落葉層土壌層で増加しています。

森林内の移動

木材(心材辺材)の放射性セシウム濃度は、他の部位と比較して極めて低く、年を経ても大きな変化は見られていません。

作業場所の空間線量率から、主な作業における被ばく線量を推定できると考えられます。また、作業時間の短縮、林業機械の使用や防護衣着用により、被ばく線量を低減できます。

地衣類(菌類の仲間)を用いて、山地内の放射性セシウムの初期沈着状況やその後の移動挙動に関する調査研究を進めています。

各部位の放射性セシウム蓄積量の割合は、時間と共に変化しています。樹木内の放射性セシウム濃度は年を経ても大きな変化が認められず、樹木が放射性セシウムを積極的に吸収していることは確認されていません。

放射性セシウムが樹冠から林床へ移動する傾向が認められますが、森林全体の空間線量率は、徐々に減少しています。

福島県川内村の調査事例では、リター層を流れる水流(リターフロー)中の放射性セシウム濃度は、土壌やリターと比較して極めて低く、放射性セシウムの流出量も約0.01%未満(2ヶ月間)でした。川内村の調査事例では、地下水には放射性セシウムは検出されませんでした(2014年度時点)。

福島県及び周辺県のモニタリングでは、地下水には放射性セシウムは検出されていませんでした(2016(平成28)年11月調査時点)。

土壌の深さ方向への放射性セシウムの移動はわずかでした。

福島県川内村と川俣町の調査事例では、林内雨樹幹流に放射性セシウムが検出されていることから、それらを通して樹木から地表へ移動していると考えられます。ただし、それらの放射性セシウム濃度は低く、時間とともに減少する傾向にあります。

福島県川俣町の調査事例では、樹幹流に含まれる放射性セシウムのうち、懸濁態は減少傾向がみられますが、溶存態では明確な減少傾向は認められませんでした。

森林生態系への影響

福島県内の山菜やきのこは、野生のものも含めて63品目の放射性セシウムのモニタリング検査が行われ、基準値を超えたものは徐々に減ってきています。

Q4 放射性物質の動き(河川水系)

河川での移動

福島県東部の阿武隈川流域及び浜通り主要河川水系では、放射性セシウムのうち137Csは70%が森林に、次いで田を含む農地に多く沈着しています。

全体として、放射性セシウム濃度は時間とともに減少していると考えられますが、海産種に比べると低下の速度は若干遅いようです。

灌がい用水から玄米への移行については、河川水中の溶存態セシウム濃度等の水質調査結果と併せて考えると、影響は限定的と考えられます。

河川敷における線量率について、平面分布と断面分布を測定してみると、低水路線量率は低いですが、高水時後の高水敷は高くなることがあります。

放射性セシウムが堆積しやすい場所は、表面線量率が増減しやすいものの、全体的に空間線量率は徐々に減少する傾向にあります。

平成27年9月関東・東北豪雨によって多くの河川敷は浸水しましたが、線量率の上昇は認められず、河川によっては線量率は大きく低下しました。

河川や湖沼におけるレクリエーション活動による被ばく線量は、保守的に評価した場合、20日間で最大約0.03mSvとなりました。

福島県内のいずれの河川においても、河川水中の放射性セシウム濃度は、徐々に減少する傾向にあります。

福島県内のいずれの河川においても、河川水中の放射性セシウム濃度は、徐々に減少する傾向にあります。

大雨が降ると、河川水中の土砂粒子の増加とともに、懸濁態放射性セシウムの濃度は増加します。

上流にダムがある河川では、ない河川に比べて、高水時懸濁態放射性セシウム濃度があまり上昇しないという特徴があります。

放射性セシウムを含む土砂が堆積しやすい場所は、高水敷のうち植生が繁茂した場所等に限られます。

放射性セシウムを含む土砂が堆積しやすい、植生が繁茂した高水敷においては堆積は続きますが、新たに堆積する土砂中の放射性セシウム濃度は低下する傾向にあります。

中流の河川敷では土砂とともに放射性セシウムは流出しやすく、下流の河川敷では流出・堆積を繰り返すため放射性セシウム濃度が減少しにくいです。

福島県内の調査事例より、河床の放射性セシウム濃度は、河川敷に比べて1∼2桁低い濃度で推移しています1)

森林から渓流水に流入する放射性セシウムの濃度は、時間とともに減少する傾向にあります。

ダムでの移動

木戸川の場合、高水時濁度が極めて高い時でも、放射性セシウムの濃度は飲料水の基準値を下回っており、溶存態放射性セシウム濃度は、平常時と変わりません。

福島県・真野ダム(はやま湖)の調査事例では、ダムに流入する放射性セシウムの大部分はダム湖底に蓄積する状況にありますが、それによって湖水中の放射性セシウム濃度が増加する傾向は認められません。

請戸川の河川敷河床の堆積物は、放射性セシウムを非常に強く吸着しており、湖水中には溶け出しにくい状態です。

出水時でも、ダム湖の下流側の流速は非常に遅いため、底質は湖底から舞い上がりにくいと考えられます。

放射性セシウムは上流域から引き続きダム湖内に流入し、底質への汚染の蓄積は継続するものと考えられます。ただし、上流から供給される放射性セシウムの濃度は時間の経過とともに低下する傾向にあります。

福島県・大柿ダムの調査事例では、ダム湖内に放射性セシウムとともに上流から流れてくる土砂粒子が堆積し、下流への放射性セシウムの移動が抑制されることが分かっています。

降雨時に土砂とともにダム湖に流入する放射性セシウムは、多くが湖底に蓄積されます。蓄積する割合は、降雨の強さや継続時間が大きいほど小さく、また流入する土砂の粒径分布等に依存します。

海での移動

福島県の海産種は、時間の経過とともに放射性セシウム濃度が低下しています。これは、海水の放射性セシウム濃度が低下したためと考えられますが、底生魚類については、底質中の放射性セシウム濃度が低下した影響も考えられます。

福島県の開設された海水浴場の利用では、被ばく線量は増加しません。

福島県の海水中および底質中の放射性セシウム濃度は、事故直後は高かったものの、その後低下しています。

河川の堆積物より河口沿岸域の堆積物の方が放射性セシウム濃度は低いです。