被ばく線量評価・除染Assessment of Exposure Doses and Decontamination

(2024年 更新)

除染で発生した土を容器に入れて長期間保管する場合、土が容器から漏れ出すことはありませんか。

福島県環境創造センターが行った、耐候性大型土のうやフレキシブルコンテナの引張試験により、遮光された状態であれば長期保管(10年程度)に耐えることが見込まれました。

除染で発生した土や廃棄物は、国が作成したガイドライン1)に従って耐候性大型土のうやフレキシブルコンテナ等の容器(図1)に封入され、仮置場等で一時的に保管されてきました。これらの容器等は仮設資材であり、当初の使用期間は3年程度と想定されていました。しかし、実際には多くの仮置場で使用期間が3年を超えたため耐久性が懸念されました。そこで、実際に仮置場で使用された保管容器を用いて引張試験(図2)を行い、強度変化を長期的に把握しました。

試験の結果、日光に当たらないよう遮水シート等で遮光された環境下であれば、最長で7.3年使用した容器であっても新品の基準強度を上回っていることがわかりました(図3)。また、引張強度の経時変化から10年程度の長期保管に耐えることが見込まれました。

保管容器

図1 保管容器(左:耐候性大型土のう、右:フレキシブルコンテナ)

引張試験の様子

図2 引張試験の様子

フレキシブルコンテナの引張強度(遮光保管)

図3 フレキシブルコンテナの引張強度(遮光保管)