被ばく線量評価・除染Assessment of Exposure Doses and Decontamination

(2015年 更新)

除染で発生した除去土壌を再利用すると、周りに放射性セシウムが流出しないか心配です。

日本の土壌において放射性セシウムの動きは遅く、ほとんど移行せずにその場で減衰することが実験的・解析的に示されています。

  • 除去土壌を埋設し、覆土した上で8~10年分の流下水量に相当する 3,200~3,900 mmの散水を行ったところ、除去土壌中の放射性セシウム濃度 1,000~3,000 Bq/kgに対し、覆土や底部土壌では 40 Bq/kg未満でした。
  • 底部土壌の下に設置した土壌水採取器で採取した水を分析した結果、放射性セシウムの動きは観測されませんでした。
  • 移流拡散モデルによるシミュレーション解析を100年間について行ったところ、放射性セシウムはほとんど移行せずにその場で減衰すること(10cm移行した先での最大濃度はもとの濃度の1%)が示されました。

美浦村の試験場所の準備状況

図1 美浦村の試験場所の準備状況

6m 四方の穴を掘削し、2m 四方の遮水板を設置しました。
この遮水板の中に表層を剥ぎ取った除去土壌を上図のように埋設して、試験を実施しました。


遮水板に囲まれた試験エリアの三層構成

図2 遮水板に囲まれた試験エリアの三層構成

底部土壌(清浄土、厚さ 50cm)の下に土壌水採取器を設置しました。
汚染された表土(除去土壌)は厚さ 100cmに埋設し、その上を清浄土(厚さ 30cm)で覆土しました。
この試験エリアから定期的にコアボーリングを行い、放射性セシウムの鉛直分布を調べました。