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放射性物質の動き-河川Radioactivity Dynamics in River System

(2020年 更新)

大雨でセシウムが流れ出ることはないですか。<令和元年10月大雨時の放射性セシウム移動状況-河川の上流域>

近年の激甚化・頻発化する自然災害に伴う放射性セシウム移行挙動を評価するためには、過去に発生した大雨時およびその前後における放射性セシウム流出量や、分布データが基礎的な情報として必要となります。
長期観測の結果、豪雨時・台風前後において、源流域における渓流水の溶存態セシウム137濃度は季節変動の範囲内でした。河川上流域の森林斜面におけるセシウム137流出率は、林床が被覆されている場合には既往データの範囲内(0.06~0.16%)でした。  

源流域および上流域の調査地点

図1 源流域および上流域の調査地点
(①太田川上流域 ②川俣町山木屋地区 ③川内村荻地区)

① 源流域(太田川上流域)における渓流水の溶存態セシウム137濃度

  • 台風前後の採水ポイントと採水の様子

    図2 台風前後の採水ポイントと採水の様子

  • 台風前後における溶存態セシウム137濃度

    図3 台風前後における溶存態セシウム137濃度

  • 豪雨時・台風前後の値は季節変動の範囲内(その後の経年変化は減少傾向)でした。
  • 森林上流域では、台風後の夏季における溶存態セシウム137濃度を低下させる可能性を示唆しています。

②,③ 河川上流域の森林斜面におけるセシウム137流出量

傾斜約30度の森林斜面に設置した観測プロット

図4 傾斜約30度の森林斜面に設置した観測プロット

2019年の台風19号とその後の豪雨時における降雨量

図5 2019年の台風19号とその後の豪雨時における降雨量
※例年の2~9倍の降雨量を観測

2019年の台風19号とその後の豪雨時における137Cs流出量

図6 2019年の台風19号とその後の豪雨時における137Cs流出量

  • 森林斜面では、2019年の台風19号とその後の豪雨による落葉の大規模な流出や土壌侵食の痕跡はなく、林床に変化は認められませんでした。
  • 観測を実施した10月期の流出率を用いて年間流出率を算出した場合、0.06~0.16%となり、これは既往データの範囲内(0.05~0.24%)でした。
  • 上記から、林床が落葉で被覆されている場合、台風による流出量の増加は確認されませんでした。