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放射性物質の動き-河川Radioactivity Dynamics in River System

(2017年 更新)

放射性セシウムの流出量は、河川流域のどのような特徴に影響されますか。【解析事例】

河川から海への放射性セシウム流出率は、ダムがある河川流域では低く、セシウム沈着量の多い土地(水田など)がある流域では高い傾向にあります。ダム湖が下流へのセシウム流出を抑制するためです。

図1に示す浜通りの5河川流域を対象に、計算モデルGETFLOWSを用いて解析を行いました。

福島第一原子力発電所近傍の5 河川流域(小高川、請戸川、前田川、熊川、富岡川)および太田川上流域、富岡川流域内の荻ノ沢流域における137Cs 沈着量の分布

図1 福島第一原子力発電所近傍の5河川流域(小高川、請戸川、前田川、熊川、富岡川)および太田川上流域、
富岡川流域内の荻ノ沢流域における137Cs 沈着量の分布
(第4次航空機モニタリングデータ、2011年11月)

図2、図3は、台風通過時の各河川流域から海へのCs流出量と流出比(流出量/流域沈着量)を示しています。

  • 請戸川流域(図2および図3中の赤い棒グラフ)は、流域面積とセシウム137(137Cs)沈着量が最大であり、流出量も最大でした(図2)。一方、沈着量の高い地域が森林地域かつその下流にダム湖があるため、流出比は最小となりました(図2)。
  • 前田川流域(図2および図3中の緑の棒グラフ)にはダム湖がなく、沈着量の高い地域が水田であるため、流出率が最大となりました(図3)。
  • 台風通過時の各河川流域から海への137Cs流出量

    図2 台風通過時の各河川流域から海への137Cs流出量

  • 台風通過時の各河川流域から海への137Cs流出率(流出量÷流域の沈着量)

    図3 台風通過時の各河川流域から海への137Cs流出率(流出量÷流域の沈着量


参考文献

  1. Sakuma et al. (2017): J. Environ. Radioact. 169-170, 137-150.