放射性物質の動き-河川水系Radioactivity Dynamics in River System

(2019年 更新)

河川水中に溶けているセシウムの濃度はどのようなところで高いのですか。

2017年8~9月にかけて、福島県を中心とした東日本の66地点で採取した河川水のセシウム濃度を分析した結果、河川水中に溶けているセシウム濃度は、河川流域の平均のセシウム沈着量と相関があることがわかりました。
また、流域に占める建物用地面積の割合が小さいほど、セシウム濃度は低い傾向があることがわかりました。

河川水中に溶けているセシウム(溶存セシウム)の濃度は、飲料水の基準(1Bq/L)に比べて非常に低い状況です。
しかし、一部の地域・種類の淡水魚はなお出荷制限などが続いており、河川水の状況を詳細に調べる研究が進められています。

abcd

図1 河川流域の状況と河川水中の溶存セシウム濃度の関係のイメージ

(a)に比べて(b)は河川流域の平均のセシウム沈着量が多く、河川水中セシウム濃度は高くなる。
(c)に比べて(d)は建物用地の割合が大きく(平地が多く)、河川水中セシウム濃度は高くなる。

  • 河川流域の平均のセシウム137沈着量に対する河川水中の溶存態セシウム137濃度

    図2 河川流域の平均のセシウム137沈着量に対する河川水中の溶存セシウム137濃度

    河川流域の沈着量が大きいほど、河川水中に溶けているセシウム濃度は高くなる。

  • 建物用地面積の割合に対する河川水中の溶存セシウム137濃度

    図3 建物用地面積の割合に対する河川水中の溶存態セシウム137濃度

    建物用地面積の割合が大きい(平地が多い)ほど、河川水中に溶けているセシウム濃度は高くなる。

(国立環境研究所などの研究成果)