除去物等の分類
除染作業によって除去した土壌や草葉,落葉,拭取りに使った紙や布など,放射性物質を含んだ廃棄物(以下,除去物)が発生します。除去物は,(i)可燃性除去物,(ii)不燃性除去物,(iii)可燃性除去物と不燃性除去物の混合物,の3つに分類されます。
除染モデル実証事業で発生した除去物の例また,放射性物質を含む水は,建物,道路等の洗浄に使用し回収した水(以下,除染水)や事故以前からプール等に溜まっていた水(以下,滞留水)に分類されます。(以下,除染水と滞留水を併せて除染水等という。)
このほか,除染作業に付随して,マスクや手袋といった防護資材などの廃棄物が発生します。これらの廃棄物は,可燃,難燃,不燃の3つに分類されます。
モデル事業で発生した除染作業に伴う廃棄物の区分除去物等の減容
除染によって発生する除去物等の量は,除染後の運搬や保管のコスト,必要となる仮置場の面積等に大きく影響するため,除去物等を可能な限り減容化することが求められます。モデル事業では,除去物等の性状に応じ,減容化として,以下のような本格処理又は試験を行いました。詳しくはリンク先を参照下さい。
1. 可燃性除去物
- 木材破砕機による減容化
- チッパーによる減容化
- 高温焼却処理
- 低温焼却処理
- 重量物積載による減容化
- 下草集積機(ロールベーラ)による圧縮
- タバコ梱包器による減容化
- 自然放置による減容化
- 吸引による減容化
- 除去植物の堆肥化
2. 不燃性除去物
3. 可燃性と不燃性の混合除去物
4. 除染水等
除去物の減容化手法の選定の考え方 除去物の減容 除染水等の処理除去物等の収集・運搬・管理
除去物等の収集,仮置場等への運搬にあたっては,放射性物質が人の健康や生活環境に影響を及ぼさないよう,安全対策が求められます。このため,除去物等の積込みや荷降ろし,運搬の際に,放射性物質が飛散したり流出したりしないようにすること,収集・運搬している除去物からの放射線による公衆の被ばくを抑える,などが必要です。モデル事業における対策の詳細については以下のリンク先を参照下さい。
このほか,除去物等の運搬を効率的に行うため,モデル事業では以下の対策をとりました。
仮置場等の整備・維持管理
除染によって発生する除去物等は,適切に保管する必要があります。保管の形態としては以下の3つがあります*1。
- 除染した現場等での保管(現場保管)
- 市町村又はコミュニティ単位で設置した仮置場での保管
- 中間貯蔵施設で保管する形態(大量の除去土壌等が発生すると見込まれる福島県にのみ設置)
これら仮置場/現場保管場の整備・維持に関わる対策として,除染関係ガイドライン「除去土壌の保管に係るガイドライン第二版」(環境省,2013)では,以下の2つの安全対策が求められています*2。
- 除去土壌の放射能の濃度や量に応じて安全が確保できる保管施設を作ること(施設設計)
- 除去土壌の搬入中や搬入後に適切な安全管理を行うこと。また,何らかの不具合があった場合は対策を行うこと(安全管理)
仮置場/現場保管場に求められる各要件やモデル事業における対策,実績等の詳細については以下のリンク先を参照下さい。
仮置場の安全性と必要な機能 仮置場の種類と構造 除去物発生量の見積りと実績*1 除染関係ガイドラインは平成25年5月に第2版(平成25年12月追補)となり,保管の形態として中間貯蔵施設を加えました。
*2 除染関係ガイドラインは平成25年5月に第2版(平成25年12月追補)となりましたが,設計指針および安全管理には変更がありません。