スキャンソート

 本試験は楢葉町上繁岡地区において実施しました。スキャンソートは,除去した土壌に含まれる放射性物質の濃度を連続的に測定し,設定した基準値以上の土壌と未満の土壌に分別するベルトコンベアを有したシステムです。田畑などから除去した土壌をスキャンソートで分別することにより,基準値以下のものは,元の土地に戻すことが可能となるため,除去土壌の減容に資することができます。本試験では,田畑からの除去土壌の分別を実施し,除去土壌の減容化におけるスキャンソートの有効性を検証しました。

 スキャンソートの概念図を図1に,配置図を図2に,スキャンソート概要を図3に示します。

 除去した土壌は,計測装置に入らない大きさの石や木根,ゴミ等をふるいで分別後,ふるいを通過した土壌等が検査用コンベア上を移動する間に,放射性物質の濃度(Bq/kg)を測定し,土壌の濃度が分別の基準値の濃度以上あるいは未満かによって,反転する分別コンベアを制御して分別します。

 本試験においては,約170tの土壌を分別し,分別された土壌から試料を採取し放射能濃度分析した結果,基準値以下に分別された土壌は,ほぼ所定の放射能濃度以下でありスキャンソートの分別能力の有効性が確認されました。基準値以下の土壌の量は,設定する基準値,土壌の剥ぎ取り厚,攪伴希釈の有無によって異なり,土壌の剥ぎ取り厚を一度に10cmと厚く剥ぎ取っても,その後の攪伴希釈がなければ,45%程度汚染土壌を減容化(5cm剥ぎ取りとほぼ同程度)できることが確認されました。

スキャンソート概念図
図1 スキャンソート概念図
スキャンソート配置図
図2 スキャンソート配置図
スキャンソート概要
図3 スキャンソート概要
木材粉砕機による廃棄物の減容化(葛尾村)