低温焼却処理

 本試験は南相馬市において実施しました。低温焼却処理は,エネルギーを最小とするために,400℃程度以下で植物根等を炭化することで重量を低減し減容する考え方であり,ロータリードライアを用いて低温焼却試験を実施し,減容効果,フィルタの効果等を測定・評価しました。また,この処理は,仮置場での沈下を抑制することも目的としています。金属セシウムや鉱物種によっては600℃程度で気化するものもあると言われており,低温焼却はこれらの排気側への移行防止についても期待できます。本焼却試験には,「c) 可燃性と不燃性の混合除去物 ⅰツイスターと振動フルイ機を用いた植物根と土の分離」で分別した植物根等(土塊及び石含む)を試料として処理しました。

 本試験における減容率については,処理する原料中の可燃物の量に依存するが概ね75%~90%となり,排気へのセシウムの移行も最大で3.7Bq/m3と低かった。ロータリードライアの概要を図1に示します。

  • 焼却炉(飯舘村):固定床式,焼却能力29kg/hr,燃焼温度800℃以上
  • 焼却炉(大熊町):固定床式,焼却能力49kg/hr,燃焼温度800℃~850℃

 焼却炉の概略フローを図1に,概要を図2に示します。

ロータリードライア概要
図1 ロータリードライア概要
廃棄物の高温焼却処理(大熊町)