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放射性物質の動き-森林Radioactivity Dynamics in forests

(2017年 更新)

雨が降ると、森林から放射性セシウムが土砂とともに流出するのではありませんか。<林床の被覆率と流出の関係>

林床から流出する放射性セシウム量は、林床が落葉・落枝で覆われる面積が大きいほど、少なくなる傾向があります。

雨が降ると、林床に衝突した雨粒が林床の落葉落枝や土壌粒子を跳ね飛ばし(雨滴侵食)、それに伴い放射性セシウムも林床から流出します(図1)。

福島県川俣町の観測事例では、このような現象によるセシウム137(137Cs)の流出率は、約1ヶ月間(2017年10月4日~24日)で0.5~2.1%となり、林床が落葉・落枝で覆われている割合が高いほど、流出率が少ない傾向にありました(表1)。

  • 雨滴の衝撃による土壌の跳ね上げ

    図1 雨滴の衝撃による土壌の跳ね上げ

  • モーガン型スプラッシュカップ(ステンレス製、外径30cm,内径10cm,高さ10cm)

    図2 モーガン型スプラッシュカップ(ステンレス製、外径30cm,内径10cm,高さ10cm)

    スプラッシュカップ中央に林床が露出するよう穴があけられており、この部分に雨滴が当たると、土壌が雨滴で跳ね上がり、回収トレイに溜まる。

  • 落葉・落枝等による林床の被覆率 斜面下方への土壌の移動量 137Cs流出量 観測地周辺の土壌に含まれる137Cs量 137Csの流出率
    5.1 % 21.2 g/m2 710 Bq/m2 33,929 Bq/m2 2.1 %
    48.2 % 11.3 g/m2 295 Bq/m2 0.9 %
    95.4 % 8.5 g/m2 523 Bq/m2 101,595 Bq/m2 0.5 %

    表1 林床被覆率と137Csの流出率


参考文献

  1. Anderson, R.S. et al., Geomorphology: The Mechanics and Chemistry of Landscapes, Cambridge University Press, 2010, 651p.
  2. 恩田裕一編, 人工林荒廃と水・土砂流出の実態, 岩波書店, 2008, 245p.