被ばく線量評価・除染Assessment of Exposure Doses and Decontamination

(2016年 更新)

事故直後の被ばくはどうでしたか。

事故直後の被ばくにおいては、放射性ヨウ素であるヨウ素131(131I;半減期8.02日)等を吸入することによる内部被ばくが重要であったと考えられています。
福島事故による1歳児の甲状腺等価線量は最大で約30mSvと推定されました。一般に用いられる実効線量に換算するとおよそ1mSvとなります。

表1 放射線医学総合研究所が行った甲状腺等価線量の推定結果(90パーセンタイル値)

自治体 1歳児 成人 方法
双葉町  30  10 全身計測
大熊町  20 <10 全身計測
富岡町  10 <10 全身計測
楢葉町  10 <10 全身計測
広野町  20 <10 全身計測
浪江町  20 <10 全身計測、甲状腺計測
飯舘村  30  20 甲状腺計測、全身計測
川俣町  10 <10 甲状腺計測、全身計測
川内村 <10 <10 全身計測
葛尾村  20 <10 浪江町の推定値を代用
いわき市  30  10 拡散シミュレーション、甲状腺計測
南相馬市  20 <10 浪江町の推定値を代用
福島県内(上記以外) <10 <10 拡散シミュレーション

等価線量被ばく線量評価に一般的に用いられる実効線量とは異なります
※実効線量に換算するには0.04をかけることが必要です。

  • 半減期が短いため、事故後時間が経過してから131I による被ばく線量を評価することは簡単ではありません。
  • 様々な情報を組み合わせて解析することにより、131I による甲状腺等価線量を推定する試みが行われました。
  1. 131I を直接に測定した甲状腺計測
  2. 放射性セシウムを測定した全身計測
  3. 大気の拡散シミュレーションの結果を用いて甲状腺等価線量が推定されました。
  • 30mSvの甲状腺等価線量は実効線量に換算すると 1mSv 程度になります。
  • 事故直後の被ばくについてはまだ不明な部分もあり、今後も調査の継続が必要です。