生態系への影響Effects on Ecosystem (2018年 更新) Q福島県内の野生動物の放射性セシウム濃度はどのように変化していますか。 A放射性セシウムの土壌沈着量が多い場所で捕獲されたイノシシとツキノワグマほど、筋肉中の放射性セシウム濃度は高い傾向にあります。また、同じ場所で捕獲されたイノシシとツキノワグマを比較すると、イノシシの方がより濃度が高いことが明らかになりました。両種ともセシウム濃度は季節変動しますが、変動パターンは異なっています。 図1 イノシシとツキノワグマにおける筋肉中137Cs濃度と捕獲場所の137Cs土壌沈着量の関係 捕獲場所の137Cs土壌沈着量が高いほど、イノシシやツキノワグマの筋肉中の137Cs濃度が高い傾向がありました。 図2 イノシシとツキノワグマにおける筋肉中137Cs濃度の季節変動 イノシシとツキノワグマの筋肉中137Cs濃度はともに季節変動の傾向を示しますが、パターンは異なります。 さらに詳しく(専門家向け) 関連するQ&A 福島県内の野生動物の放射性セシウム濃度はどのように変化していますか。【近年の傾向】 福島県の野生生物に、放射線による突然変異は増えていますか。 避難指示区域において生態系はどのように変わっていますか。 放射性セシウムは森林内のどこに、どれくらい蓄積しているのですか。時間とともにどのように変わりますか。 森林内の空間線量率は、時間とともにどのように変化するのですか。 森林等から河川に放射性セシウムが流入し続け、汚染が継続するのではありませんか。 参考文献 Nemoto, Y., Saito, R. and Oomachi, H. (2018): Seasonal variation of Cesium-137 concentration in Asian black bear (Ursus thibetanus) and wild boar (Sus scrofa) in Fukushima Prefecture, Japan, PLOS ONE, vol. 13, no. 7, e0200797. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0200797 #5 生態系・林野火災・結果の公表 Q 淡水魚の放射性セシウム濃度はどのような条件に影響されますか。