放射性物質の動き-森林Radioactivity Dynamics in forests

(2019年 更新)

放射性セシウムは森林内のどこに、どれくらい蓄積しているのですか。時間とともにどのように変わりますか。

福島県内における針葉樹、広葉樹の調査結果から、森林内の放射性セシウムの大部分は、落葉層土壌に分布しています。また、時間の経過により、放射性セシウムの蓄積量は樹木(地上部)で減少、落葉層土壌層で増加しています。

  • 川内村のスギ林および川俣町のコナラ林での調査の様子1
  • 川内村のスギ林および川俣町のコナラ林での調査の様子2

図1 川内村のスギ林および川俣町のコナラ林での調査の様子
・樹木を伐倒し、葉、枝、樹皮、材に解体
・各部の重量(バイオマス量)を算出


森林の地上部(樹木)および地下部(リター層、土壌層)のセシウム分布

図2 森林の地上部(樹木)および地下部(リター層、土壌層)のセシウム分布

  • スギ5本(川内村)およびコナラ5本(川俣町)を伐倒し、葉、枝、樹皮、材に解体、各部の重量(バイオマス量)を算出、リターと土壌も採取しました。
  • 落葉広葉樹林(コナラ)と常緑針葉樹林(スギ)ともに、森林に分布するセシウムのうち、地上部の樹木に3~4.5%程度、残りの90%以上が地下のリター・土壌層に分布しています。
  • 今後、樹木の根の調査結果と合わせて、土壌層から樹木へのセシウム移動量を調査していく予定です。

森林の放射性セシウム(134+137)の動態変化

図3 森林の放射性セシウム(134+137)の動態変化

出典:林野庁「平成30年度 森林内における放射性物質実態把握調査事業報告書」(2019年3月),「平成29年度 森林内における放射性物質実態把握調査事業報告書」(2018年3月)を基に作成