放射性物質の動き-森林Radioactivity Dynamics in forests

(2020年 更新)

森林内のセシウム分布は今後も変化しますか。

森林内のセシウムの動きのシミュレーション結果から、事故後20年程度にかけて、①ほとんどのセシウムが土壌に留まり続けること、②スギ木材中のセシウム濃度は大きく変化しないこと、コナラ木材中のセシウム濃度の増加傾向が継続して緩やかになること、③セシウムの森林内での動きが減少すること、が予測されています。これは、森林内でのセシウムの動きが平衡状態に近づいていることを示唆しています。

スギ(左)・コナラ(右)の木材中のセシウム137濃度の予測結果

図1 森林内における事故後初期および近年のセシウム移動のイメージ


スギの木材中のセシウム137濃度の予測結果コナラの木材中のセシウム137濃度の予測結果

図2 スギ(左)・コナラ(右)の木材中のセシウム137濃度の予測結果

スギ木材中のセシウム濃度は大きく変化しないこと、コナラ木材中のセシウム濃度の増加傾向は継続して緩やかになることが予測されています。

スギ一斉林におけるセシウムの移動量のシミュレーション推定結果コナラ・マツにおけるセシウムの移動量のシミュレーション推定結果

図3 スギ一斉林(左)・コナラ・マツ混交林(右)におけるセシウムの移動量のシミュレーション推定結果

樹木からの落葉等による排出量(実線)と、樹木による根からの吸収予測量(点線)で動きを数値化しています。
両者は5~10 年目以降は同程度となっておりセシウムの動きが平衡状態に近づいていることを示唆しています。

(森林総合研究所などの研究成果)