放射性物質・空間線量率Radioactivity and Air Dose Rate

(2015年 更新)

平たんな場所と傾斜地で、セシウムの量は時間とともにどのように変わってきたのですか。

工事や耕作などによって乱されていない平たんな場所では、セシウムの量は、ほぼ半減期に従って減少してきました(物理減衰)。このような場所では、横方向へのセシウムの動きは小さいことがわかりました。
一方、畑地や草地、森林内の傾斜地などでは、セシウムの量はわずかながら物理減衰よりも速く減少していると考えられます。降雨などにより、道路や駐車場などの舗装面では事故時に降ってきたセシウム量の数十%、屋根では大半が事故後の4年間で流失したと考えられます。

  • Cs土壌沈着量分布の2つの時期での比較

    図1 134Cs土壌沈着量分布の2つの時期での比較

  • 平均的な放射性セシウム沈着量の時間による変化

    図2 平均的な放射性セシウム沈着量の時間による変化
    (2011年6月の137Csの沈着量を1.0としている)

  • セシウム134(134Cs)及びセシウム137(137Cs)の土壌沈着量は、ほぼ半減期従って減少することがわかりました。
  • 放射性セシウムは時間とともに地中方向へ浸透していく一方、水平方向への動きは小さいことが沈着量の解析等から明らかになりました。
  • 傾斜地や様々な土地利用を含む河川流域からは、年間で沈着量の0.01~数%の放射性セシウムが流出していることが報告されています。
  • 除染を行わないでも、道路や駐車場といった舗装面の沈着量は、事故から4年後の時点で初期沈着量の20%程度まで、屋根では数%まで減少しているとの報告があります。