放射性物質・空間線量率Radioactivity and Air Dose Rate
(2017年 更新)
Q放射性セシウムは町のどこにどれだけ存在するのですか。
A放射性セシウムは未舗装の平坦地に多く存在し、舗装面や建造物で小さいことがわかりました。
未舗装の平坦地の沈着量(2015年)を事故直後に換算した値を100%とした割合を示しています。事故から4年後の、除染を行っていない地域における舗装面や建造物表面の相対沈着量は、顕著に低い値を示しました。除染を行わなくても、沈着時やその後の降雨に伴う流出が、市街地で卓越していたと考えられます。
相対沈着量は、釉薬瓦や金属スレートなど表面が滑らかな素材で低く、表面が多孔質なモルタルで顕著に高い値を示しました。表面が滑らかな素材では、セシウム137(137Cs)が速やかに除かれやすいものと考えられます。
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参考文献
- Yoshimura, K., Saito, K., and Fujiwara, K. (2017): Distribution of 137Cs on Components in Urban Area Four Years after the Fukushima Dai–Ichi Nuclear Power Plant Accident, Journal of Environmental Radioactivity, vols.178–179, 48–54. https://doi.org/10.1016/j.jenvrad.2017.07.021
- 長尾郁弥, 新里忠史, 佐々木祥人, 伊藤聡美, 渡辺貴善, 土肥輝美, 中西貴宏, 佐久間一幸, 萩原大樹, 舟木泰智, 鶴田忠彦, 御園生敏治, 吉村和也, 中間茂雄, 操上広志, 町田昌彦, 山田進, 板倉充洋, Malins, A., 奥村雅彦, Kim, M., Liu, X., 山口正秋, 石井康雄, 武藤琴美, 田籠久也, 齊藤宏, 武宮博, 関暁之, 北村哲浩, 飯島和毅(2019): 福島における放射性セシウムの環境動態研究の現状(平成30年度版), JAEA-Research 2019-002, 235p. https://doi.org/10.11484/jaea-research-2019-002