放射性物質の動き-河川水系Radioactivity Dynamics in River System

(2016年 更新)

今後もダムに放射性セシウムが流入し、ダム湖内には汚染が蓄積し続けるのではありませんか。<底質中の濃度の経時変化>

放射性セシウムは上流域から引き続きダム湖内に流入し、底質への汚染の蓄積は継続するものと考えられます。ただし、上流から供給される放射性セシウムの濃度は時間の経過とともに低下する傾向にあります。

  • 福島県大柿ダムの調査事例では、事故後初期に濃度が高く、その後徐々に濃度が低下する傾向にあることがわかります(水中バイブレーション式コアサンプラーで採取した底質と、セディメントトラップで採取した沈降粒子のセシウム濃度の時間変化による)。
  • これは、河川水中の浮遊懸濁物質のセシウム濃度が、時間とともに減少する傾向(こちら参照)とも一致しています。

大柿ダムの形状および湖底堆積物採取地点の概略

図1 大柿ダムの形状および湖底堆積物採取地点の概略

同底質と沈降粒子の放射性セシウム濃度の時間変化

図2 同底質沈降粒子の放射性セシウム濃度の時間変化