被ばく線量評価・除染Assessment of Exposure Doses and Decontamination

(2014年 更新)

空間線量率から推定した被ばく線量と、個人線量計で測定した線量が大きく異なるのは何故ですか。

福島における空間線量率は場所により大きく変化します。人間が生活する様々な場所での空間線量率の変化や、そこでの現実的な滞在時間など、誤差要因を考慮しながら推定法の精度を高めることが必要です。

考えられる誤差の要因

  • 放射性物質が沈着した地域の空間線量率は場所により多様に変化しますが、この変化が考慮されません。
    (例)・屋外の空間線量率として1点の代表値を使用
       ・屋内の空間線量率は屋外の0.4倍と仮定
  • 人間の場所毎の滞在時間についても単純な仮定が一般に使用されます。
    (例)・屋内16時間、屋外8時間を仮定
  • 空間線量(周辺線量当量)を実効線量へ換算するには0.6をかける必要がありますが、余裕を持って高めに計算するために1.0をかけることがしばしばあります。

走行サーベイにより測定した福島第一原子力発電所北西部の空間線量率分布

図1 走行サーベイにより測定した福島第一原子力発電所北西部の空間線量率分布

狭い地域でも空間線量率が急激に変化することがあります。

上記の線量評価の誤算要因を考慮しながら、空間線量率に基づく推定法の精度を高めることも必要です。
実際にそのような試みが行われてきました。