放射性物質・空間線量率Radioactivity and Air Dose Rate

(2016年 更新)

放射性セシウムの放射能濃度はどのように測定するのですか。

Ge半導体検出器やNaIシンチレーション検出器などを用いて測定します。
Ge半導体検出器は主に詳細検査が必要な場合に、NaIシンチレーション検出器は主に大量の簡易検査が必要な場合にといったように、目的に応じて機器を使い分けています。

  • 環境中の放射性セシウムの動きを知るには、高い精度で濃度を計測する必要があることから、原子力機構廃炉環境国際共同研究センター環境影響研究ディビジョンではGe半導体検出器を用いて放射性セシウム濃度のデータを取得しています。
  • 原子力機構廃炉環境国際共同研究センター環境影響研究ディビジョンは、2015年10月に国際規格 ISO/IEC 17025:2005(試験所及び校正機関の能力に関する一般要求事項)に基づく放射能測定分野(対象核種:134Cs,137Cs)の試験所として認定を受けています。

表 Ge半導体検出器とNaIシンチレーション検出器の比較

分析機器 Ge半導体検出器 NaIシンチレーション検出器
外観 Ge半導体検出器 NaIシンチレーション検出器
価格 千数百~数千万円 数十万~数百万円
重量 1~2トン 100 kg前後
測定環境 液体窒素・電気的装置による冷却が必要 室温が一定であれば室温で測定可能
特徴 詳細な分析が可能 価格が高く、維持管理にもコストがかかる 重量があるため、耐荷重処置をした床面が必要 Ge半導体検出器に比べ価格が安い 空調管理されている場所であればどこでも設置が可能
使用例 福島における放射性セシウムの環境動態研究(原子力機構) 農産物の詳細検査(自治体)
農産物の簡易スクリーニング(自治体)