さいえんす・すてーしょん

2023.12.28


基礎知識 #放射線 #元素 #半減期




 半減期ってなんだろう?

 ~放射線は時間とともに減っていく~




放射性物質は、放射線を出すことで安定した状態になろうとするので、出てくる放射線は時間が経つごとに減っていきます。
今回は、放射線がどのように減っていくかを、いっしょに確かめてみましょう!



放射線が出る量は減っていく?



のぞむ
のぞむ

原子核が不安定な時に、安定するために放出するエネルギーや電子のことを放射線っていうんだったよね。

みらい
みらい

っていうことは、安定したら、放射線はもう出なくなるってこと?

ロボ博士
ロボ博士

その通り!
ある原子核が放射線を出して、別の原子核に変わることを「壊変(かいへん)」というぞ。

放射線を出す原子核は壊変することで、安定を目指すんじゃ。



のぞむ

やっぱり原子核は安定を目指すんだね!

ロボ博士

放射性物質の中の原子核たちが壊変することを繰り返して、
もとの放射性物質が半分に減るまでの期間のことを、「半減期(はんげんき)」というぞ。

ロボ博士と計算してみよう


ロボ博士

半減期が1年の、放射線を出す原子核が最初に200個あるところから考えてみようか。

みらい

まずは表を作ってみると……。

最初 1年後 2年後 3年後 ……
放射線を出す
原子核の数
200個 100個 50個 25個 ……



のぞむ

それをグラフにするとこう!


みらい

まっすぐなグラフにはならないんだね!

ロボ博士

イメージとしてはこんな感じじゃな。

原子の種類ごとに半減期はちがう?



みらい

半減期って、実際はどれくらいの期間なの?

ロボ博士

放射性物質によって、全然違うんじゃ。
いくつか、だいたいの期間を調べてみたぞ。


トリウム232 141 億年
カリウム40 12.8 億年
炭素14 5,730
セシウム137 30
トリウム231 25.5 時間
ニホニウム278 0.0024



のぞむ

141億年!?長い!

ロボ博士

現時点において、この宇宙の年齢は138億年くらいといわれているので、
この宇宙が生まれた時からやっと半分になったということじゃな。

みらい

短いものは1秒よりも短い!
本当に一瞬しか存在しない物質って思ったら、すっごくレアな感じがするね!

おまけ:壊変はくりかえされる



ロボ博士

不安定な原子核からの壊変は1回で終わらないことも多いんじゃ。
何度も壊変を繰り返して、ようやく安定するということじゃな。

例えば、ウラン238という放射性物質は、10回以上の壊変を繰り返すぞ。
ウラン238の半減期は約45億年=地球の年齢とほぼ同じなので、現在は地球が生まれた時の約半分の量になっているのだ。


【参考】原子力百科事典 ATOMICA

 まとめ



✔ 原子核が放射線を出すことで、別の原子核になることを「壊変(かいへん)」という。
✔ もとの放射性物質が半分に減るまでの期間のことを、「半減期(はんげんき)」という。
✔ 半減期は原子の種類ごとにちがう。




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