さいえんす・すてーしょん

2024.6.28


化学基礎 #原子 #結晶 #結晶格子




 どうして化学反応が起きるのか?

 第3.5回 結晶




化学反応によって生成される物質のなかに、結晶が含まれます。
結晶とはどういうものか、どういう性質を持つのかを把握しておきましょう。



結晶の定義


化学分野における「結晶」とは、一定の化学成分を持ち、原子や分子、イオンなどの粒子が三次元的に規則正しく配列している固体を指します。

共有結合による結晶、イオン結晶、金属結晶、分子結晶の4種類が存在します。

単結晶……ある物質内の原子などの配列の向きがどの部分でも同じ
多結晶……複数の種類の単結晶が集まったもの

身の回りにある単結晶の代表であるシリコン(ケイ素)は、半導体として多くの電子機器やソーラーパネルとして利用されています。

単位格子


粒子が規則的に配列している結晶構造を表したものを結晶格子といいます。
結晶格子の中の、粒子の最小の繰り返し単位が単位格子です。

単位格子の構造は様々ですが、代表的な構造として「体心立方格子」「面心立方格子」「六方最密構造」の3つが挙げられます。
※六方最密構造は単位格子ではなく、結晶構造を指す単語です。

▽それぞれの格子構造を持つ元素の代表例
・体心立方格子……リチウム、ナトリウム、カリウム、鉄
・面心立方格子……ネオン、アルミニウム、カルシウム、銅、銀、白金、金、鉛
・六方最密構造……マグネシウム、チタン、亜鉛

単位格子、六方最密構造に含まれる粒子の数



体心立方格子

8個の各頂点には、粒子が8等分されたものが配置され、中心に粒子が1つあるので、
1/8 × 8 + 1 = 2
粒子の数は合計2つとなります。


面心立方格子

8個の各頂点には、粒子が8等分されたものが、各面には2等分された粒子が配置されているので、
1/8 × 8 + 1/2 × 6 = 1 + 3 = 4
粒子の数は合計4つとなります。


六方最密構造


六角柱の形は六方細密構造の単位格子を3つ合わせたものです。
六方最密構造は少し難しいので、順番に考えてみましょう。

まず1段目を上から見ると、内角が120°の割球が2つ、60°の割球が2つあります。
120°の割球は球の1/6、60°の割球は1/12の大きさとなるので、

1/12 × 2 + 1/6 × 2 = 1/2 個

2段目は六角柱で見ると粒子が3つしか存在しないように見えるが、実際は粒子は連続して存在します。
オレンジ枠内に存在する粒子は、切り取られた部分を合わせると合計1つとなります。

1段目と3段目に含まれる粒子は同数となるので、

1/2 + 1 + 1/2 = 2

六方最密構造に含まれる粒子の数は合計2つとなります。

 まとめ



✔ 一定の化学成分を持ち、粒子が三次元的に規則正しく配列している固体を結晶という。
✔ 結晶格子の中の、粒子の最小の繰り返し単位を単位格子という。
✔ 代表的な単位格子、結晶構造として「体心立方格子」「面心立方格子」「六方最密構造」がある。

メニュー