福島リサーチカンファレンス

廃炉のための遠隔技術に関する国際会議を開催

廃炉のための遠隔技術に関する国際会議を開催

2016年11月24日-25日に日本原子力研究開発機構 福島研究開発部門 福島研究基盤創生センター 楢葉遠隔技術開発センターにおいて,福島リサーチカンファレンス 廃炉のための遠隔技術に関する国際会議を開催した(主催:日本原子力研究開発機構)。イギリス,オーストラリア,フランス,韓国,アメリカ,アルゼンチンからの参加者を含め、述べ83名参加した。

11月24日には,楢葉遠隔技術開発センター研究管理棟多目的室において,東京電力ホールディングスの村野兼司氏,東京工業大学の佐藤 勇氏より,福島第一原子力発電所における遠隔技術を用いた除染作業やサンプリングに基づいた調査についての御紹介をいただいた。

また,多目的室においてポスターセッションを開催し,日本原子力研究開発機構内外から5件の研究開発に関する発表が行われた。日本原子力研究開発機構からは,楢葉遠隔技術開発センター 利用技術開発部 遠隔基盤開発室の鈴木健太,ビル・ランブレット,山田知典,島田 梢から,楢葉遠隔技術開発センターでの研究開発成果についての報告がなされた。

この後,楢葉遠隔技術開発センターの試験棟において,モーションキャプチャー,モックアップ施設の見学や遠隔機材によるデモンストレーションを含むテクニカルツアーを行った。

また,11月25日には,楢葉遠隔技術開発センター研究管理棟多目的室において,東京大学の淺間 一教授をキーノートスピーカーとしてお迎えし,ロボット技術を活用した廃炉作業へのこれまでの取り組みや今後求められる技術や考え方等について御講演いただいた。

さらに,イギリス・バーミンガム大学のラスタム・ストルキン氏より,現在進められている原子力用ロボットを知能化するための技術開発について,また,オーストラリア・カーティン大学のレイモンド・シェー氏より,標準試験法を用いた災害対応ロボットの性能評価法とコンテストへの応用に関して紹介をいただいた。

これに引き続き,日本原子力研究開発機構の川妻伸二をモデレータに,講演者や有識者による,“廃炉技術のためのモックアップ試験:現状と今後”と題したパネルディスカッションを開催し,議論がなされた。まず,楢葉遠隔技術開発センターのモックアップ施設や要素試験施設の現状と利用内容についての紹介を皮切りに,参加者も交えて遠隔機器による廃炉作業の貢献に必要な考え方について意見交換を行った。

パネラーからは,標準試験法等の開発の経験から,議論や試験のアイディア出しに多数の意見を取り込んでいき,さらにその活動や試作したものからオープンイノベーションが始まるので,ユーザーおよび開発者を巻き込んでの試行錯誤のプロセスが重要で,楢葉遠隔技術開発センターがその活動の場となることが望ましい,との意見があった。また,廃炉計画にそっていなくとも課題が見つかった際にすぐに適用できるように,災害対応や原子力施設対応のための遠隔技術を育てる場として機能するとよい,という意見があった。

また.今後のモックアップの構築については,格納容器内の状態の把握をできるだけ早く精度高く情報収集する必要があることから,原子炉建屋内の状態調査とともにモックアップや試験体の設計開発を行っていくべき,との意見があった。また機械やシステム工学の分野の立場から議論がされることが多いが,対象が大型建築物・構造物であるということから,建築や構造物設計の有識者とも協力して議論をしていく必要もあるのではないか,との指摘があった。

今後も,廃炉のための遠隔技術について情報交換・議論する場を継続的に提供していく事で,廃炉作業の推進に貢献していくことが確認された。

国際会議の様子(楢葉遠隔技術開発センター多目的室)
国際会議の様子(楢葉遠隔技術開発センター多目的室)
参加人数内訳(延べ83名参加)
参加人数内訳(延べ83名参加)

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