人力による道路側溝の除染方法

【除染モデル実証事業編】報告書 2.4.2(1)①(b) “Ⅳ道路”より

スコップ等を用いての手作業により,側溝に溜まった堆積物や汚泥を回収しました。

人力による道路側溝の除染
人力による道路側溝の除染

スコップ等を用いた人力による側溝・集水枡に溜まった汚泥の除去による表面汚染密度低減率は約30~90%でした。

大熊町役場周辺地区における実施結果(側溝)(人力による堆積物除去)
  除染前 除染後 低減率(%)
表面線量率(1cm)(μSv/h) 32.3 3.4 89
表面汚染密度 34,000 1,950 96
人力及びバキューム車による道路側溝の除染(飯舘村)

人力またはバキューム車を用いての道路側溝の除染の具体的な流れ

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より

人力またはバキューム車を用いての道路側溝の除染作業の流れを以下に示します。

1.目的

道路側溝部の除染方法として,人力またはバキューム車を用いた堆積物除去の手順を示します。

2.作業項目

  • 使用機材点検
  • 側溝の蓋開口
  • 堆積物撤去・集積
  • 側溝の蓋閉口
  • 詰込み
  • 運搬

3.作業手順

(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。

(2)側溝の蓋開口
側溝の蓋を人力もしくはバックホウで開けます。

(3)堆積物撤去・集積
人力(スコップ,鋤簾等)もしくはバキューム車を用いて堆積物を除去し,一輪車を用いて集積します。

(4)側溝の蓋閉口
側溝の蓋を人力もしくはバックホウを用いて元の状態に戻します。

(5)詰込み
集積した堆積物をフレキシブルコンテナに収納します。

(6)運搬
溝の蓋を人力もしくはバックホウを用いて元の状態に戻します。

4.使用機材

保護具(保護メガネ,半面マスク,ゴム手袋等),バックホウ,スコップ,鋤簾,一輪車,バキューム車,トラッククレーン

5.留意事項等

(1)重機の旋回範囲,死角には立ち入りできないようカラーコーン等で作業エリアを明示するようにします。

(2)堆積物撤去の際には水を使用しないようにします。水が混入すると堆積物が泥濘化し後処理が発生してしまいます。

人力およびバキューム車を用いた道路側溝の除染の歩掛例

道路の側溝における人力およびバキューム車を用いた除染方法の本事業における歩掛例を以下に示します。

  • 内容:側溝蓋撤去,堆積物撤去(人力,バキューム車),詰込,運搬(道路,側溝・集水桝)
  • 歩掛表
(110m2当り)

名称・項目

仕様

単位

数量

【 労 務 費 】

 

 

 

土木一般世話役

 

人日

0.71

普通作業員

 

人日

2.54

特殊作業員

 

人日

1.00

【 材 料 費 】

 

 

 

大型土のう

耐候性(3年)

3.00

【 機械損料 】

 

 

 

側溝清掃車 ブロア式 154kW

ホッパ容量3.1m3
風量40m3/min (運)

台時

5.14

側溝清掃車 ブロア式 154kW

ホッパ容量3.1m3
風量40m3/min (供)

台日

0.86

バックホウ
クレーン機能付き 41kW

平積容量 0.2m3
2.9t吊 (運)排対1次

台時

2.00

バックホウ
クレーン機能付き 41kW

平積容量 0.2m3
2.9t吊 (供)排対1次

台日

0.86

トラック
クレーン装置付 132kW

積載質量 4t積
2.9t吊 (運)

台時

5.14

トラック
クレーン装置付 132kW

積載質量 4t積
2.9t吊 (供)

台日

0.86

【 諸雑費 】

 

1.00

人力およびバキューム車を用いた道路側溝の除染技術評価

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より

人力およびバキューム車を用いた道路側溝の除染の手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。

整理番号

道-11

大分類

道路

中分類

側溝,集水桝

小分類

 

除染手法

人力による道路側溝の除染方法

内容

側溝蓋撤去,堆積物除去(人力,バキューム車),詰込,運搬

除染方法

<除染手順>

側溝蓋撤去: →堆積物撤去: →詰込:→運搬(除染箇所の一時集積所まで):

人力,バックホウ 人力,バキューム車  人力  トラッククレーン

<除染概要>

常時流水がなく堆積物が溜まっている側溝を主対象に,蓋を人力,バックホウで開け,人力(スコッブ,鋤簾)で堆積物を除去します。除去物は人力でフレキシブルコンテナに詰込み,トラッククレーンで除染箇所の一時集積所まで運搬します(運搬距離100m)。

主要機械仕様

バックホウ,バキューム車,トラッククレーン

環境条件

適用環境条件

除染効果に影響する環境条件は見当たらない。

施工制約条件

特になし。

評価

除去物

施工スピード(作業員数)

110m/日(4人)

除去物発生量

堆積状況による

除去物内容

汚泥,落葉

水処理方法

使用水量

汚染水回収方法

回収率

除染係数の目安

DF

1~10

低減率

30~90%

コスト(直接工事費>1,000m2

1,080円/m

施工上の留意点改善点

・堆積物の撤去の際,泥濘化し後処理が必要となることから,水は使用しないことが重要です(除去物量の適正化)。