【除染モデル実証事業編】報告書 2.4.2(1)①(b) “Ⅳ道路”より
バックホウを用いてアスファルト舗装道路の剥ぎ取りを行いました。このアスファルト舗装を撤去した道路については,当該箇所の打ち替えを実施しました。
なお,剥ぎ取りを行わずにオーバーレイのみ実施した箇所もあります。
バックホウによるアスファルト舗装道路の剥ぎ取り後の表面汚染密度は500~630cpmで,大部分の放射性物質は舗装面とともに除去され,舗装面下の砕石はほとんど汚染されていないと考えられます。
除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
---|---|---|---|
空間線量率(1m) (μSv/h) | 2.13 | 1.53 | 28 |
表面線量率(1cm)(μSv/h) | 2.65 | 1.85 | 30 |
表面汚染密度 | 3,950 | 1,660 | 58 |
バックホウによる道路の除染(アスファルト舗装剥ぎ取り)の具体的な流れ
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
バックホウによるアスファルト舗装の剥ぎ取りの流れを以下に示します。
1.目的
バックホウによる道路の除染(アスファルト舗装の剥ぎ取り)の流れを以下に示します。
2.作業項目
- 使用機材点検
- 剥ぎ取り・集積
- 詰込み
- 運搬
3.作業手順
(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。
(2)剥ぎ取り・集積
舗装カッターおよびバックホウを用いて道路表面のアスファルト舗装を剥ぎ取り集積します。
(3)詰込み
集積した切削屑をバックホウを用いてフレキシブルコンテナに収納します。
(4)運搬
フレキシブルコンテナをトラッククレーンで一時仮置き場まで運搬します。
4.使用機材
保護具(半面マスク,ゴム手袋等),舗装カッター,バックホウ,トラッククレーン
5.留意事項等
(1)重機の旋回範囲,死角には立ち入りできないようカラーコーン等で作業エリアを明示するようにします。
(2)事前モニタリングの結果,放射性物質の浸透が舗装面のごく表層までであることが明らかな場合には,除去物発生量抑制の観点から,汚染された舗装面のみ除去物として取扱うことが望ましいと思われます(除去物量の抑制)。
バックホウによる道路の除染(アスファルト舗装剥ぎ取り)の歩掛例
道路における除染方法“バックホウを用いたアスファルト舗装の剥ぎ取り”の本事業における歩掛例を以下に示します。
- 内容:アスファルト舗装面剥ぎ取り(バックホウ),集積,詰込,運搬(道路,アスファルト舗装面)
- 歩掛表
名称・項目 |
仕様 |
単位 |
数量 |
【 労 務 費 】 |
|
|
|
土木一般世話役 |
|
人日 |
1.3 |
普通作業員 |
|
人日 |
3.0 |
運転手(普通) |
|
人日 |
1.0 |
特殊作業員 |
|
人日 |
2.0 |
運転手(特殊) |
|
人日 |
2.5 |
【 材 料 費 】 |
|
|
|
大型土のう |
耐候性(3年) |
袋 |
30.5 |
【 機械損料 】 |
|
|
|
バックホウ |
平積容量0.2m3(運) |
台時 |
6.0 |
バックホウ |
平積容量0.2m3(供) |
台日 |
1.0 |
バックホウ |
平積容量0.28m3(運) |
台時 |
6.0 |
バックホウ |
平積容量0.28m3(供) |
台日 |
1.0 |
ダンプトラック |
平積容量 2.0m3(運) |
台時 |
6.0 |
ダンプトラック |
平積容量 2.0m3(供) |
台日 |
1.0 |
トラック |
積載質量4t積2.9t吊 (運) |
台時 |
6.0 |
トラック |
積載質量4t積2.9t吊 (供) |
台日 |
1.0 |
舗装カッター |
(運) |
台時 |
6.0 |
舗装カッター |
(供) |
台日 |
1.0 |
バックホウによる道路の除染(アスファルト舗装剥ぎ取り)の技術評価
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
バックホウによるアスファルト舗装道路の剥ぎ取りの手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。
整理番号 |
道-9 |
||
大分類 |
道路 |
||
中分類 |
舗装 |
||
小分類 |
アスファルト舗装面 |
||
除染手法 |
バックホウによるアスファルト舗装の剥ぎ取り |
||
内容 |
剥ぎ取り,回収,詰込,運搬 |
||
除染方法 |
<除染手順> アスファルト舗装剥ぎ取り: →アスファルトの集積: →詰込: →運搬(除染箇所の一時集積所まで): バックホウ,舗装カッター バックホウ バックホウ クレーン付トラック <除染概要> バックホウでアスファルト舗装面を剥ぎ取り,回収します。回収したアスファルトはバックホウでフレキシブルコンテナに詰込み,トラッククレーンで除去物の一時保管場所に運搬します(運搬距離100m)。 |
||
主要機械仕様 |
舗装カッター,バックホウ,バキューム車,トラッククレーン |
||
環境条件 |
適用環境条件 |
特になし。 |
|
施工制約条件 |
特になし。 |
||
評価 |
除去物 |
施工スピード(作業員数) |
260m2/日(10人) |
除去物発生量 |
1,500袋/ha程度(剥ぎ取り厚による) |
||
除去物内容 |
アスファルト |
||
水処理方法 |
使用水量 |
― |
|
汚染水回収方法 |
― |
||
回収率 |
― |
||
除染係数の目安 |
DF |
3~10(打替え後のデータ) |
|
低減率 |
70~90%(打替え後のデータ) |
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コスト(直接工事費>1,000m2) |
1,620円/m2 |
||
施工上の留意点改善点 |
・事前のモニタリング結果から放射性物質の大部分が舗装面の表面のごく近傍に残留していることが明らかな場合には,除去物発生量抑制の観点から汚染された舗装面のみ除去物として取扱うことが望ましいと思われます(除去物量の抑制)。 |