【除染モデル実証事業編】報告書 2.4.2(1)①(b) “Ⅳ道路”より
高圧水洗浄機によって,舗装面表面に付着した堆積物等を除去しました。本事業で使用した高圧水洗浄機は15MPaを目安としました。除染水は側溝流末で回収し,水槽に溜めて,水処理等を施した後外部側溝へ排水しました。
除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
---|---|---|---|
表面線量率(1cm)(μSv/h) | 43.0 | 6.0 | 86 |
除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
---|---|---|---|
表面線量率(1cm)(μSv/h) | 38.0 | 37.1 | 2 |
表面汚染密度 | 63,500 | 50,300 | 21 |
高圧水洗浄による道路の除染の具体的な流れ
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
道路における高圧水洗浄による除染の流れを以下に示します。
1.目的
道路のアスファルト舗装の除染方法として,高圧水洗浄機による洗浄の手順を示します。
2.作業項目
- 使用機材点検
- 路面洗浄
- 回収
- 詰込み
3.作業手順
(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。
(2)路面洗浄
高圧水洗浄機を用いて路面を洗浄します。
(3)回収
洗浄水をバキューム車で吸引回収します。
(4)詰込み
回収した水を水処理設備まで運搬します。
4.使用機材
保護具(保護メガネ,半面マスク,ゴム手袋等),高圧水洗浄機,バキューム車
5.留意事項等
(1)高圧水を面に直角に,噴射口と除染対象との離隔を20㎝以下に維持することが重要です。
(2)周辺土壌が二次汚染しないように,除染水の飛散浸透防止策を講じることが重要です。
高圧水洗浄による道路の除染の技術評価
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
高圧水洗浄による道路除染の手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。
整理番号 |
道-2 |
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大分類 |
道路 |
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中分類 |
舗装 |
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小分類 |
アスファルト舗装面 |
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除染手法 |
高圧水洗浄機による洗浄 |
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内容 |
洗浄,回収,運搬(水処理は含まない) |
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除染方法 |
<除染手順> 洗浄: →洗浄水回収: →運搬(除染箇所の水処理設備まで): 高圧水洗浄機 バキューム車 バキューム車 <除染概要> 高圧水洗浄機でアスファルト舗装面の表面に付着している放射性物質を含んだ土砂等を除去し,必要に応じて洗浄水を吸引回収します。回収した洗浄水は,除染箇所の水処理設備まで運搬します(運搬距離100m)。 |
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主要機械仕様 |
高圧水洗浄機(最大50MPa),バキューム車 |
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環境条件 |
適用環境条件 |
舗装面が凍結している場合や雪で覆われている場合には適用できない。 |
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施工制約条件 |
特になし。 |
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評価 |
除去物 |
施工スピード(作業員数) |
100m2/日(2人) |
除去物発生量 |
ほとんどなし |
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除去物内容 |
汚泥 |
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水処理方法 |
使用水量 |
3~4m3/100m2程度 |
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汚染水回収方法 |
側溝流末部でのバキューム吸引 |
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回収率 |
100%(コンクリート吸水分を除く) |
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除染係数の目安 |
DF |
1~3 |
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低減率 |
0~65% |
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コスト(直接工事費>1,000m2) |
960円/m2 |
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施工上の留意点改善点 |
・除染水が飛散し,周辺土壌が二次汚染しないように飛散防止策を講じることが重要です(汚染の拡大防止による除染効果の確保)。 |