【除染モデル実証事業編】報告書 2.4.2(1)①(b) “Ⅳ道路”より
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーで路面の塵埃を収集します。
路面清掃車は,側ブラシ及び補助側ブラシにより,道路側溝部の塵埃を車両中央部に掃出し,中央部に寄せられた塵埃は主ブラシによりコンベヤ下端に掃上げ,コンベヤにより移送されホッパに投入するもので,舗装面上に付着した堆積物を回収するために使用しました。
搭乗式ロードスイーパーも原理は同様であり,路面清掃車と比較し作業幅が短いため,主に歩道や狭い道路,側溝部の除染に使用しました。
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーを用いた水を使用しない除染による表面汚染密度の低減率は約0~45%であり,高い除染効果は見られませんでした。また,路面清掃車等によるブラッシングと高圧水洗浄等を組み合わせた除染による低減率は約0~65%でした。
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーは,ブラシで掻き出した堆積物をホッパに回収する構造となっていますが,掻き出した堆積物や掻き出す際に生じた粉じんを十分に回収できなかったことや掻き出した粉じんを別の場所に移動させてしまったため,これらを利用した除染の効果は低かったものと考えられます。
除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
---|---|---|---|
空間線量率(1m)(μSv/h) | 4.83 | 3.06 | 37 |
表面線量率(1cm)(μSv/h) | 5.25 | 3.99 | 24 |
表面汚染密度 | 8,180 | 7,980 | 2 |
除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
---|---|---|---|
表面線量率(1cm)(μSv/h) | 38.0 | 37.1 | 2 |
表面汚染密度 | 63,500 | 50,300 | 21 |
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーを用いた道路除染の具体的な流れ
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
道路における路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーによる除染の流れを以下に示します。
1.目的
道路のアスファルト舗装の除染方法として,路面清掃車による表面清掃の手順を示します。
2.作業項目
- 使用機材点検
- 表面清掃
- 回収
- 詰込み
- 運搬
3.作業手順
(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。
(2)表面清掃
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーを用いてアルファルト舗装表面の清掃と除去物åの回収を行います。
(3)回収
路面清掃車および搭乗式ロードスイーパーを用いて,(2)で発生した除去物を回収します。
(4)詰込み
回収した除去物を人力でフレキシブルコンテナに収容します。
(5)運搬
フレキシブルコンテナをトラック等で一時仮置き場まで運搬します。
4.使用機材
保護具(保護メガネ,半面マスク,ゴム手袋等),路面清掃車,搭乗式ロードスイーパー,トラッククレーン
5.留意事項等
(1)掻き出した土砂や掻き出す際に生じた粉じんの回収効率をあげることで,除染効果の上昇が期待できます(除染効果の向上)。
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーを用いた道路除染の歩掛例
道路に おいて“路面清掃車や搭乗式ロードスイーパー”を用いた除染の本事業における歩掛例を以下に示します。
- 内容:路面清掃車による路面清掃(ブラシ式 ホッパー容量2.5~3.1m 3)および搭乗式ロードスイーパーによる路面清掃(搭乗式ロードスイーパー ホッパー容量0.62m 3),回収,詰込,運搬
- 歩掛表
名称・項目 |
仕様 |
単位 |
数量 |
【 労 務 費 】 |
|
|
|
土木一般世話役 |
|
人日 |
0.19 |
普通作業員 |
|
人日 |
0.25 |
運転手(特殊) |
|
人日 |
1.00 |
【材料費】 |
|
|
|
大型土のう |
耐候性(3年) |
袋 |
0.25 |
シュート |
コンパネ材 |
個 |
0.25 |
【機械損料】 |
|
|
|
路面清掃車 190KW |
ブラシ式・ホッパー容量 |
台時 |
6.0 |
路面清掃車 190KW |
ブラシ式・ホッパー容量 |
台日 |
1.0 |
【諸雑費】 |
|
式 |
1.00 |
名称・項目 |
仕様 |
単位 |
数量 |
【 労 務 費 】 |
|
|
|
土木一般世話役 |
|
人日 |
0.3 |
普通作業員 |
|
人日 |
1.00 |
運転手(特殊) |
|
人日 |
1.00 |
【材料費】 |
|
|
|
大型土のう |
耐候性(3年) |
袋 |
1.00 |
シュート |
コンパネ材 |
個 |
1.00 |
【機械損料】 |
|
|
|
搭乗式路面清掃車(ロードスイーパー) |
搭乗式・ホッパー容量 |
台日 |
1.00 |
【諸雑費】 |
|
式 |
1.00 |
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーを用いた道路除染の技術評価
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
路面清掃車や搭乗式ロードスイーパーを用いた道路の除染手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。
整理番号 |
道-1 |
|||
大分類 |
道路 |
|||
中分類 |
舗装 |
|||
小分類 |
アスファルト舗装面 |
|||
除染手法 |
路面清掃車または搭乗式ロードスイーパーによる清掃 |
|||
内容 |
清掃,回収,詰込,運搬 |
|||
除染方法 |
<除染手順> 清掃: →土砂,落葉等の回収: →詰込: →運搬(除染箇所の一時集積所まで): 路面清掃車 同左 人力 トラッククレーン 搭乗式ロードスイーパ <除染概要> 路面清掃車または搭乗式ロードスイーパーでアスファルト舗装面の表面に付着している放射性物質を含んだ土砂や落葉等を除去し,回収します。回収した土砂や落葉は人力でフレキシブルコンテナに詰込み,トラッククレーンで除染箇所の一時保管場所まで運搬します(運搬距離100m)。 |
|||
主要機械仕様 |
路面清掃車,搭乗式ロードスイーパー,トラッククレーン |
|||
環境条件 |
適用環境条件 |
舗装面が凍結している場合や雪で覆われている場合には適用できない。 |
||
施工制約条件 |
特になし。 |
|||
評価 |
除去物 |
施工スピード (作業員数) |
路面清掃車7,000m2/日(2人,路面清掃車1台) 搭乗式ロードスイーパ3,500m2/日(2人,スイーパ1台) |
|
除去物発生量 |
少量 |
|||
除去物内容 |
土砂,落葉等 |
|||
水処理方法 |
使用水量 |
― |
||
汚染水回収方法 |
― |
|||
回収率 |
― |
|||
除染係数の目安 |
DF |
1~2 |
||
低減率 |
0~45% |
|||
コスト(直接工事費>1,000m2) |
路面清掃車 10円/m2 搭乗式ロードスイーパ 20円/m2 |
|||
施工上の留意点改善点 |
・掻き出した土砂や掻き出す際に生じた粉じんの回収効率をあげることで,除染効果の上昇が期待できる(除染効果の向上)。 |