研究開発成果
2025年度 実用表面分析講演会(PSA-25)「Powell賞」を受賞
CLADS の吉田 健 研究員が、2025年度に開催された実用表面分析講演会(PSA-25:Symposium on Practical Surface Analysis 2025)において、Powell賞(Best Presentation of the Year 2025)を受賞しました。
Powell賞は、表面分析研究会(Surface Analysis Society of Japan)が主催する実用表面分析講演会(PSA)において、最も優れた発表を行った研究者に授与される賞であり、米国 NIST の C. J. Powell 博士の功績にちなんで設けられた、本講演会を代表する表彰です。
本賞は、PSA 参加者による投票に基づいて選定されるもので、今回の受賞は、吉田研究員の研究内容が実用性・独創性・学術的価値の観点から高く評価されたことを示すものです。
発表題目:FIB-TOF-SIMSを用いた福島第一原子力発電所採取試料の分析
本発表では、福島第一原子力発電所(1F)の廃止措置を着実に進めるために重要となる燃料デブリの性状把握を目的として、集束イオンビーム(FIB)を搭載した飛行時間型二次イオン質量分析法(FIB-TOF-SIMS)を1F内部調査により採取された微量試料へ適用した分析結果について報告しました。
FIB による断面加工と TOF-SIMS 分析を組み合わせることで、試料表面から内部に至る三次元的な元素分布および同位体情報を可視化し、ウラン燃料、制御棒材料、原子炉構造材がマイクロメートルスケールで混合・溶融・再凝固した痕跡を明らかにしました。
さらに、極微量粒子ごとの U-235 濃縮度評価を可能とし、従来のバルク分析では困難であった燃料デブリの微細構造・生成過程の理解に資する知見を提示しました。
本成果は、燃料デブリ分析における表面分析技術の高度化および実廃炉試料への適用可能性を示すものであり、1F 廃止措置研究における分析基盤の強化に貢献するものです。
![]() |
![]() |
・吉田 健

