研究開発成果
「科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞
CLADS 佐藤 優樹 主任研究員が「科学技術分野の文部科学大臣表彰 若手科学者賞」を受賞しました。
福島第一原子力発電所の廃止措置や帰還困難区域の環境回復において、作業者の被ばく低減および除染計画をたてるためには、飛散・沈着した放射性物質に起因する放射能汚染の分布を把握する必要があります。
佐藤主任研究員は、コンプトンカメラに3次元環境モデリング、および自己位置推定と環境地図作成の同時実行を組み合わせた統合型放射線イメージングシステム(iRIS:integrated Radiation Imaging System)の構築によって、放射性物質による汚染を可視化し、作業環境の3次元マップに組み込むことに成功。放射能汚染可視化ツールとしての有用性を示しました。
遠隔制御や環境認識など、放射線計測・原子力の枠にとらわれない発想を持ってシステム開発を実施したこともポイントであり、新規性や福島第一原子力発電所現場での実証の成果が認められました。また、放射線計測の分野が、異分野融合を経て、新しい分野を開拓していくという大きな学術的意義を見出せるものです。
今後は福島第一原子力発電所の廃止措置を含む環境回復に向けた作業現場だけではなく、世界中の原子力施設の廃止措置現場での活用も視野に入れて研究開発を進めます。
▽論文情報
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223131.2021.2001391