研究開発成果
「日本ソノケミストリー学会 論文賞」を受賞
大熊分析・研究センター 分析部 分析計画課の田中 康之が「日本ソノケミストリー学会<論文賞>」を受賞しました。
論文賞は学術誌に掲載された学術論文の内、優秀な論文の著者に送られるものです。
超音波は、一般的にメガネ洗浄機(20kHz周辺)として使用されていますが、周波数を高くする(200kHz周辺)と化学作用(酸化・還元反応)があることが知られています。
本研究は、この超音波の化学作用を用いて、金イオンからナノサイズの金粒子(以降金ナノ粒子と記す)を合成し、
リチウムイオン電池正極材料LiNi0.5Mn1.5O4(LMNO)に付着させることで、電池の放電容量を改善させることを検討しました。
超音波を使って合成した金ナノ粒子は、撹拌下と異なり、微細かつ分散して付着できることが明らかになりました。
また、超音波を用いて、金ナノ粒子を付着させたLMNOは、電流が流れる際に係る抵抗値が小さくなり、電池の放電容量が改善することを明らかにしました。
現在、大熊分析・研究センターでは超音波の化学作用を利用して、「放射性廃棄物中のC-14の回収方法」の研究開発を進めています。