空間線量率への積雪の影響(モデル実証事業における経験)

 一般に積雪による遮へい効果により,放射線量の計測値が小さくなります。これを確認するため,積雪深さと放射線量の計測値との関係について,浪江町津島地区を対象に検討しました。

 除染作業が終了し,かつ積雪が続いた2012.1.19~1.23の4日間に,定点観測(20点:図1)を3回行い,その時の定点観測地点の積雪深さを計測しました。積雪深さと平均空間線量率の低減率との関係を表1,図2に示します。また,積雪の状況を図3に示します。

 浪江町津島地区の事後モニタリング実施時期(2012.1.25~2.01)おいては,積雪深さが最大30cm(平均16cm)であったことから,付録の各除染実施地域の速報に示した除染前後の空間線量率には,実測値のほか積雪深さから低減率を30%と仮定した推定値も併記します。

定点観測点
図1 定点観測点(浪江町津島地区)
表1 積雪深さと平均空間線量率の低減率
  1/19 晴 1/20 雪 1/21 雪 1/23 雪
積雪深さ(cm) 0 2~5 5~10 10~30
平均空間線量率(µSv/h) 6.48 6.00 5.57 4.47
平均空間線量率の低減率(%)(1/19を基準) 0 9 16 32
積雪深さと平均空間線量率の低減率
図2 積雪深さと平均空間線量率の低減率
(浪江町津島地区)
1月22日の積雪状況
図3 1月22日の積雪状況