除染作業開始前に行う測定
- 測定点ごとに,空間線量率・表面線量率・表面汚染密度の3種類をあわせて測定することを推奨します。なお,バックグラウンドの影響が有意な場所に対しては,表面汚染密度の測定にあたり,コリメータを組み合わせた測定を行うと,除染効果の評価に有効です。
- 除染作業開始前の空間線量率・表面汚染密度は,「除染対象範囲における面的分布状況の把握」および「家屋周りなど人の往来の多い場所で局所的に線量が高くなる可能性がある場所(ホットスポット)の把握」の2つに大別して行います。
- 低減率等によって除染の効果を確認する場合は,除染作業の前後における測定を同じ地点で行う必要があります。測定点のマーキング,地図上への記録,写真撮影などを除染作業開始前の測定時に行うことが有効です。また,ホットスポットを除染するために,測定でホットスポットと認められた地点をマーキングしておくことも有効です。
- 面的分布状況については,概ね等間隔で測定することとし,対象範囲の面積によりますが,森林,農地,グラウンド・公園,道路とも,たとえば30m程度の間隔で行います。当該箇所の面積が小さい場合は,敷地内をサイコロの5の目の測定点配置で行うなどの工夫を施します。また,周辺からの線量の寄与を評価するため,除染対象エリアに隣接する区域で,容易に立ち入れる道路等(除染対象エリア境界から100m程度の範囲を目途)についても測定します。
- ホットスポットについては,各敷地内で樹木の根元,雨樋,排水溝付近,たたき,吹き溜まり箇所などにおいて代表的な場所の測定を行います。これに加え,玄関等の人が良く出入りする場所についても測定を行います。なお,屋根・壁について周辺の空間線量率と異なることが予想される場合,作業安全が確保できれば1軒当たり各々1点程度行います。
2. 土壌等の放射性物質濃度
- 土壌については,除染対象となった範囲における土地利用区分(森林,農地,宅地,大型構造物,道路)ごとに1点以上表層を採取,分析します。この際,腐植土層があれば,土壌と分けて採取し,個々に分析します。また,放射性物質濃度の高そうなもの(例:コケ)も合わせて測定しておくと以降の解析の際に参考になります。