高圧水洗浄（ブラッシング含む）によるインターロッキングの除染方法

南相馬市における実施結果（対象：インターロッキング，使用機器：高圧水洗浄及び金ブラシ）
	除染前	除染後	低減率(%)
空間線量率(1m) (μSv/h)	0.97	0.72	26
表面線量率(1cm)(μSv/h)	1.61	1.07	34
表面汚染密度	4,050	2,800	31

高圧水洗浄によるインターロッキングの除染の具体的な流れ

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より

インターロッキングの高圧水洗浄による除染作業の具体的な流れを以下に示します。

1.目的

宅地におけるインターロッキング部の除染方法として，高圧水洗浄による手順を示します。

2.作業項目

使用機材点検
高圧水洗浄
洗浄水の回収
運搬

3.作業手順

(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また，安全対策が十分であることを確認します。

(2)高圧水洗浄
高圧水洗浄機を用いインターロッキング部表面を洗浄します。

(3)洗浄水の回収
洗浄に使用した水はバキューム車で回収します。

(4)運搬
回収した水を水処理設備まで運搬します。

4.使用機材

保護具（保護メガネ，半面マスク，ゴム手袋等），高圧水洗浄機，バキューム車

5.留意事項等

(1)高圧水洗浄機のノズル先を人に向けないようにします。

(2)目地にセシウムが付着している場合は，まず目地を金べら等で掻き出す必要があります（効果の確保）。

(3)コンクリート面深くまで汚染が進行している場合には，高圧での洗浄もしくは複数回の施工が必要となることから，事前に圧力，回数の違いによる除染効果の違いを把握し，仕様を決定することが重要です（低減効果の測定にあたっては，除染水による遮へい効果を除くため，乾燥した後に測定することが重要です）。

高圧水洗浄によるインターロッキングの除染の歩掛例

インターロッキングの“高圧水洗浄”による除染の本事業における歩掛例を以下に示します。

内容：高圧水洗浄，洗浄水回収，運搬（宅地・大型構造物，たたき・屋上などのコンクリート面）
歩掛表

（100m ²当り）
名称・項目	仕様	単位	数量
【労務費】
土木一般世話役		人日	0.30
普通作業員		人日	1.00
運転手（特殊）		人日	0.50
運転手（普通）		人日	0.50
【機械損料】
給水車　118kW	タンク容量　3，800L　（供）	台日	1.00
給水車　118kW	タンク容量　3，800L　（運）	台時	3.00
排水管清掃車　154kW	タンク容量2.2m³圧力54MPa（供）	台日	1.00
排水管清掃車　154kW	タンク容量2.2m³圧力54MPa（運）	台時	6.00
発動発電機　ディーゼルエンジン駆動　19kW	（超低騒音）排ガス対策容量　 20kVA（供）2次	台日	1.00
発動発電機　ディーゼルエンジン駆動　19kW	（超低騒音）排ガス対策容量　 20kVA（運）2次	台日	1.00
側溝清掃車　ブロア式　105kW	ホッパ容量3.1m³　風量　20ｍ³/min　（供）	台日	1.00
側溝清掃車　ブロア式　105kW	ホッパ容量3.1m³　風量　20ｍ³/min　（運）	台時	3.00
水槽（一般工事用）鋼板製簡易水槽	容量5m³（供）	台日	1.00
【諸雑費】		式	1.00

高圧水洗浄によるインターロッキングの除染の技術評価

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より

高圧水洗浄によるインターロッキングの除染の手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。

整理番号	宅-8
大分類	宅地
中分類	庭
小分類	インターロッキング
除染手法	高圧水洗浄（Ｂ）
内容	洗浄（高圧水洗浄機），洗浄水回収・運搬
除染方法	＜除染手順＞洗浄： →洗浄水の回収・運搬（除染箇所の水処理設備まで）：　　高圧水洗浄機（最大50MPa）バキューム車＜除染概要＞高圧水洗浄機（10MPa程度)で洗浄する。洗浄水はバキューム車で回収し，除染箇所の水処理設備まで運搬します(運搬距離100m)。
	高圧水洗浄			高圧水洗浄
	主要機械仕様	高圧水洗浄機（最大50MPa），バキューム車
環境条件	適用環境条件	インターロッキング部が対象。除染効果に影響する環境条件は見当たらない。
	施工制約条件	特になし。
評価	除去物	施工スピード（作業員数）	140m²/日　（9人）
		除去物発生量	ほとんど無し
		除去物内容	汚泥
	水処理方法	使用水量	2～3m³／100m²程度
		汚染水回収方法	バキューム吸引
		回収率	100%（ｲﾝﾀｰﾛｯｷﾝｸﾞ目地等への浸透分を除く）
	除染係数の目安	DF	1.4～5.0
		低減率	30～80％
	コスト（直接工事費＞1,000m²）		1,320円／m²
施工上の留意点改善点	・目土にセシウムが付着している場合は，まず目土を金べら等で掻き出す必要があります（除染効果の確保）。・事前に試験エリアを設け，圧力および走行回数と除染効果の関係を把握し，本施工における除染方法を決定することが重要です（除染効果の確保）。・その他，除染効果の測定に当たっては，施工直後は浸透水により遮蔽されていることから，乾燥後に表面汚染密度を測定することが重要です。