高圧水洗浄による建物壁面の除染方法

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2(1)①(b)Ⅰ宅地より

高圧水洗浄による除染は,水圧は基本的に10MPa程度で行いました。また,再汚染を避けるため,上部から下部へという順に洗浄しました。高所位置の壁に対しては,高所作業車や足場を用いて実施しました。

壁面の高圧水洗浄による除染状況
壁面の高圧水洗浄による除染状況
南相馬市における実施結果
  除染前 除染後 低減率(%)
空間線量率(1m) (μSv/h) 0.98 0.65 34
表面線量率(1cm)(μSv/h) 0.60 0.46 23
表面汚染密度 460 320 30

 

高圧水洗浄による建物壁面の除染(川俣町)

高圧水洗浄によるコンクリート製の壁の除染の具体的な流れ

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より

コンクリート製の壁の高圧水洗浄を用いた除染作業の具体的流れを以下に示します。

1.目的

コンクリート製の壁の除染方法として,高圧水洗浄による洗浄手順を示します。

2.作業項目

  • 使用機材点検
  • 洗浄
  • 洗浄水の回収
  • 運搬

3.作業手順

(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。

(2)洗浄
高圧水洗浄機を用い壁・ベランダ・非常階段を洗浄します。

(3)洗浄水の回収
洗浄に使用した水はバキューム車で回収します。

(4)運搬
回収した水を水処理設備まで運搬します。

4.使用機材

保護具(保護メガネ,半面マスク,ゴム手袋等),高圧水洗浄機,バキューム車

5.留意事項等

(1)高圧水洗浄機のノズル先を人に向けないようにします。

(2)周辺土壌が二次汚染しないように,除染水の飛散浸透防止策を講じることが重要です。

(3)高圧水を面に直角に,噴射口と除染対象との離隔を20㎝以下に維持することが重要です。

(4)試験エリアを設け,圧力と低減率の関係を把握し圧力を決めることが重要です。

高圧水洗浄による建物壁面(コンクリート・モルタル製)の除染の歩掛例

建物の壁面(コンクリート・モルタル製)に おいて“高圧水洗浄”による除染の本事業における歩掛例を以下に示します。

  • 内容:高圧水洗浄,洗浄水回収,運搬(宅地・大型構造物,壁のコンクリート面・モルタル面)
  • 歩掛表
(150m 2当り)

名称・項目

仕様

単位

数量

【 労 務 費 】

 

 

 

土木一般世話役

 

人日

0.30

普通作業員

 

人日

1.60

運転手(特殊)

 

人日

0.80

運転手(普通)

 

人日

0.40

【 機械損料 】

 

 

 

発動発電機 

ディーゼルエンジン駆動19kW  

定格容量 20kVA (供)          

台日

1.00

発動発電機 

ディーゼルエンジン駆動19kW  

定格容量 20kVA (運)          

台日

1.00

トラック クレーン装置付132kW

積載質量 4t積 2.0t吊(運)      

台時

6.00

トラック クレーン装置付132kW

積載質量 4t積 2.0t吊(供)      

台日

1.00

排水管清掃車 154kW            

タンク容量2.2m3圧力54MPa(運)

台時

12.00

排水管清掃車 154kW            

タンク容量2.2m3圧力54MPa(供)   

台日

2.00

バキュームカー

容量3m3(運)

台時

2.00

バキュームカー

容量3m3(供)

台日

0.40

【 諸雑費 】

 

1.00

留意事項: 上記は,足場を使わず人の手が届く範囲の作業です。

高圧水洗浄による建物の壁面の除染の技術評価

【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より

高圧水洗浄(含ブラッシング)による建物壁面の除染の手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。

整理番号

宅-16

大分類

宅地,大型構造物

中分類

小分類

コンクリート,モルタル

除染手法

高圧水洗浄(D)

内容

高圧水洗浄,洗浄水回収,運搬

除染方法

<除染手順>
洗浄(含表面ブラッシング):    →洗浄水回収・運搬(除染箇所の水処理設備まで): 
高圧水洗浄機,人力(金ブラシ)            バキューム車

<除染概要>
大型構造物のコンクリート壁を,高圧水洗浄機(10MPa程度)で洗浄する。補助的に金ブラシによるブラッシングも併用します。洗浄に使った水はバキューム車で吸引回収し,除染箇所の水処理設備に運搬します(運搬距離100m)。

 

高圧水洗浄

主要機械仕様

高圧水洗浄機(最大50MPa),バキューム車

環境条件

適用環境条件

汚染の激しいコンクリート壁では,汚染物質が深部まで付着し,ブラッシングや高圧水洗浄では除染が困難。

施工制約条件

特になし。

評価

除去物

施工スピード
(作業員数)

150m2/日 (3人) 

除去物発生量

ほとんどありません

除去物内容

汚泥

水処理方法

使用水量

2~3m3/100m2程度

汚染水回収方法

流末部でのバキューム吸引

回収率

100%(コンクリート吸水分を除く)

除染係数の目安

DF

1.3~3.3

低減率

20~70%

コスト(直接工事費>1,000m2

960円/m2

施工上の留意点
改善点

・高圧水を除染面に直角に噴射するとともに,噴出口と除染面の離隔を20cm以下に保つことが重要です(除染効果の確保)。
・圧力と低減率の関係を把握し圧力を決めることが重要である(除染効果の確保)。
・除染水が飛散し,周辺土壌が二次汚染しないように飛散防止策を講じることが重要です(汚染の拡大防止による除染効果の確保)。