【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2(1)①(b)Ⅱ大型構造物より
人工芝製のフットサルコート及びテニスコートの除染を実施しました。
レノマチックを用いてゴムチップや目砂などの人工芝充填材を人工芝コートから除去し,新しい充填材を敷設しました。
レノマチックは,充填層の除去厚さを調整できることに加え,除去作業と同時に,除去物をフレキシブルコンテナバックに回収することができるというメリットがあります。
レノマチックを用いた人工芝地の除染の具体的な流れ
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
人工芝地におけるレノマチックを用いた人工芝充填材の除去による除染の流れを以下に示します。
1.目的
テニスコートやフットサルコートのような人工芝地の除染方法として,レノマチックを用いた人工芝充填材(ゴムチップや目砂)の吸引による除染の手順を示します。
2.作業項目
- 使用機材点検
- 吸引・詰込み
- 運搬
3.作業手順
(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。
(2)吸引・詰込み
レノマチックを取り付けたトラクタを用いて,人工芝に散布された充填材を吸引除去します。このとき,レノマチックを取り付けたトラクタにフォークリフトを並走させ,これに設置したフレキシブルコンテナに吸引した充填材を直接詰込みます。
(3)運搬
フレキシブルコンテナをトラッククレーン等で一時仮置場まで運搬します。
4.使用機材
保護具(半面マスク,ゴム手袋等),レノマチック(充填材吸引),トラクタ,フォークリフト,トラッククレーン
5.留意事項等
(1)重機の死角には立ち入りできないようカラーコーン等で作業エリアを明示します。
(2)本施工に先立ち,走行回数と除染効果の関係を把握し,最適な走行回数を決定することが重要です。
(3)充填材の除去率を上げるために,同一エリアに対しレノマチックの走行は複数回行う必要があります。何度か走行したエリアに対して再度走行する場合には,人工芝を破損させぬようレノマチックの作業速度をゆるめたり,除染エリアを目視確認しながら作業することが望ましいと思われます。
(4)人工芝の上に新品の充填材を散布することにより,人工芝からの放射線をより軽減できます。
レノマチックを用いた人工芝地の除染の歩掛例
人工芝地に おいて“レノマチック”を用いた人工芝充填材の吸引除去による除染の本事業における歩掛例を以下に示します。
- 内容:人工芝充填材吸引(レノマチック),集積,詰込,運(フットサル場,テニスコート)
- 歩掛表
名称・項目 |
仕様 |
単位 |
数量 |
【 労 務 費 】 |
|
|
|
土木一般世話役 |
|
人日 |
0.6 |
運転手(普通) |
|
人日 |
1.0 |
運転手(特殊) |
|
人日 |
2.0 |
普通作業員 |
|
人日 |
1.0 |
【 材 料 費 】 |
|
|
|
大型土嚢 |
耐候性(3年) |
袋 |
22.5 |
【 機械損料 】 |
|
|
|
レノマチック(充填材吸引機) |
レンタル |
台日 |
1.0 |
トラクタ30PS |
レンタル |
台日 |
1.0 |
フォークリフト |
振動ローラー相当(運) |
台時 |
6.0 |
フォークリフト |
振動ローラー相当(供) |
台日 |
1.0 |
トラック クレーン装置付132kW |
積載質量4t積2.9t吊(運) |
台時 |
6.0 |
トラック クレーン装置付132kW |
積載質量4t積2.9t吊(供) |
台日 |
1.0 |
【 諸雑費 】 |
|
式 |
1.0 |
レノマチックを用いた人工芝地の除染の技術評価
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
レノマチックを用いた人工芝地の除染の手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。
整理番号 |
大-9 |
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大分類 |
大型構造物 |
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中分類 |
グラウンド |
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小分類 |
人工芝地 |
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除染手法 |
充填材吸引 |
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内容 |
充填材吸引,集積,詰込,運搬 |
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除染方法 |
<除染手順> 充填材吸引: →集積・詰込: トラクタ+レノマチック(充填材吸引機) レノマチック+フォークリフト →運搬(一時集積所まで):トラッククレーン <除染概要> レノマチック(充填材吸引機)を取り付けたトラクタを自走させ人工芝に散布されている充填材を吸引し,吸引した充填材をフォークリフトに設置したフレキシブルコンテナに直接詰込みます。トラックレーンで除染箇所の一時集積まで運搬します。 |
|||
主要機械仕様 |
トラクタ+レノマチック,フォークリフト,トラッククレーン |
|||
環境条件 |
適用環境条件 |
平坦な人工芝が対象。人工芝が平坦でないと除染効果が減少する。 |
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施工制約条件 |
凹凸やむらが激しいと施工が困難。 |
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評価 |
除去物 |
施工スピード (作業員数) |
2,600m2/日 (9人,充填材吸引機2台) |
|
除去物発生量 |
100~200袋/ha(剥ぎ取り厚さ5mm程度) |
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除去物内容 |
人工芝充填材 |
|||
水処理方法 |
使用水量 |
- |
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汚染水回収方法 |
- |
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回収率 |
- |
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除染係数の目安 |
DF |
2.5~2.9 |
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低減率 |
60~65% |
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コスト(直接工事費,>1,000m2) |
150円/m2 |
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施工上の留意点 |
・本施工に先立ち,走行回数と除染効果の関係を把握し,最適な走行回数を決定することが重要です。 ・充填材の除去率をあげるために,同一エリアに対しレノマチックの走行は複数回行う必要がありました。何度か走行したエリアに対して再度走行する場合には,人工芝を破損させぬようレノマチックの作業速度をゆるめたり,除染エリアを目視確認しながら作業することが望ましいと思われます。 ・人工芝の上に新品の充填材を散布することにより,人工芝からの放射線をより軽減できます。 |