【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2(1)①(b)Ⅱ大型構造物より
モーターグレーダーを用いてグラウンドの表土を剥ぎ取る除染を行いました。
本除染方法は,平らで広いグラウンドに有効です。グラウンド表面に凹凸がある場合は,事前に振動ローラー等によって地ならしを行うと剥ぎ取りの精度が高くなります。
除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
---|---|---|---|
空間線量率(1m)(μSv/h) | 1.56 | 0.50 | 68 |
表面線量率(1cm)(μSv/h) | 1.95 | 0.47 | 76 |
表面汚染密度 | 1,320 | 250 | 81 |
モーターグレーダーを用いたグラウンドの除染の具体的な流れ
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
グラウンドにおけるモーターグレーダーを用いた表土の剥ぎ取りによる除染の流れを以下に示します。
1.目的
グラウンドの除染方法として,モーターグレーダーを用いた表土の剥ぎ取りの手順を示します。
2.作業項目
- 使用機材点検
- 表土の地ならし
- 表土の剥ぎ取り
- 集積・詰込み
- 運搬
3.作業手順
(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また,安全対策が十分であることを確認します。
(2)表土の地ならし
コンバインドローラーを用いて地表面を平滑にならします。
(3)表土の剥ぎ取り
モーターグレーダーを用いて表層土を剥ぎ取ります。
(4)集積・詰込み
集積した表土をバックホウまたは人力でフレキシブルコンテナに収納します。
(5)運搬
フレキシブルコンテナをトラッククレーン等で一時仮置場まで運搬します。
4.使用機材
保護具(半面マスク,ゴム手袋等),コンバインドローラー,モーターグレーダー,バックホウ,トラッククレーン
5.留意事項等
モーターグレーダーを用いたグラウンドの除染の歩掛例
グラウンドにおいて“モーターグレーダー”を用いた表土の剥ぎ取りの本事業における歩掛例を以下に示します。
- 内容:地ならし(振動ローラー),表土剥ぎ取り(モーターグレーダー),集積,搬送,詰込,運搬(大型構造物,グラウンド)
- 歩掛表
名称・項目 |
仕様 |
単位 |
数量 |
【 労 務 費 】 |
|
|
|
土木一般世話役 |
|
人日 |
0.51 |
普通作業員 |
|
人日 |
1.00 |
運転手(特殊) |
|
人日 |
2.40 |
【 材 料 費 】 |
|
|
|
大型土嚢 |
耐候性(3年) |
袋 |
19.40 |
【 機械損料 】 |
|
|
|
小型バックホウ(ミニホウ) クローラ型 25kW |
排出ガス対策型 0.10m3 (運) |
台日 |
0.40 |
小型バックホウ(ミニホウ) クローラ型 25kW |
排出ガス対策型 0.10m3 (供) |
台日 |
0.40 |
バックホウ クローラ型 41kW |
平積容量 0.2m3 (運) 排対2次 |
台時 |
6.00 |
バックホウ クローラ型 41kW |
平積容量 0.2m3 (供) 排対2次 |
台日 |
1.00 |
トラック クレーン装置付 132kW |
積載質量 4t積 2.9t吊 (運) |
台時 |
1.80 |
トラック クレーン装置付 132kW |
積載質量 4t積 2.9t吊 (供) |
台日 |
0.30 |
振動ローラー 搭乗式・タンデム型 77kW |
質量 8~10t (運) |
台時 |
0.60 |
振動ローラー 搭乗式・タンデム型 77kW |
質量 8~10t (供) |
台日 |
0.10 |
モーターグレーダー 油圧式・排出ガス対策型85kW |
ブレード幅 3.1m (運) 2次基準値 |
台時 |
3.60 |
モーターグレーダー 油圧式・排出ガス対策型85kW |
ブレード幅 3.1m (供) 2次基準値 |
台日 |
0.60 |
【 諸雑費 】 |
|
式 |
1.00 |
モーターグレーダーを用いたグラウンドの除染の技術評価
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
モーターグレーダーを用いたグラウンドの剥ぎ取り作業の手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。
整理番号 |
大-6 |
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大分類 |
大型構造物 |
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中分類 |
グラウンド |
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小分類 |
平坦なグラウンド |
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除染手法 |
薄層表土剥ぎ取り(G) |
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内容 |
地ならし(振動ローラー),表土剥ぎ取り(路面切削機),集積,搬送,詰込,運搬 |
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除染方法 |
<除染手順> 地ならし: →表土剥ぎ取り: →集積・詰込: 振動ローラー モーターグレーダー バックホウ(平爪付き) →運搬(除染箇所の一時集積所まで): トラッククレーン <除染概要> 振動ローラーで地ならしをして表面を平滑にした後,モーターグレーダーで剥ぎ取ります。バックホウ(平爪付き)で集積して,フレキシブルコンテナに詰め込みます。バックホウでフレキシブルコンテナを移動し,トラッククレーンで除染箇所の一時集積所まで運搬します(運搬距離100m)。 |
||
主要機械仕様 |
コンパウンドコーラー,モーターグレーダー,バックホウ(平爪付き),トラッククレーン |
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環境条件 |
適用環境条件 |
除染効果に影響するような環境条件は見当たらない。 |
|
施工制約条件 |
凹凸が激しいグラウンド,および含水比が高く施工機械の地耐力が確保できないグラウンドでは施工困難。 |
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評価 |
除去物 |
施工スピード (作業員数) |
640m2/日 (4人) |
除去物発生量 |
200~500袋/ha(剥ぎ取り厚2~5cm) |
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除去物内容 |
土壌,草 |
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水処理方法 |
使用水量 |
- |
|
汚染水回収方法 |
- |
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回収率 |
- |
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除染係数の目安 |
DF |
10 |
|
低減率 |
90% |
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コスト(直接工事費,>1,000m2) |
290円/m2 |
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施工上の留意点 |
・放射能濃度の深度分布を把握し,剥ぎ取り深さを決定することが重要である(除染効果の確保,除去物量の適正化)。 ・凹凸がある場合,作業幅が2cmと広いことから凹部の剥ぎ取り厚が薄くなるため,予めローラー等で凹凸を均すことが重要である(除染効果の確保)。 |