【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2(1)①(b)章“Ⅲ 農地”より
反転耕とは，地表層付近の土壌と下層にある土壌をプラウ等の重機を用いて反転させる方法です。
トラクターに牽引されたプラウにより，30cm深さを目標として，放射性セシウムで汚染された表層付近の土壌（表層土）と下層にある土壌（下層土）を反転させる「反転耕」を実施しました。
このとき，耕盤を破壊してしまわないよう，耕盤までの深度を把握しておく必要があります。なお，放射性物質を取り去る方法ではないことに留意してください。
| 除染前 | 除染後 | 低減率(%) | |
|---|---|---|---|
| 空間線量率(1m) (μSv/h) | 3.66 | 1.42 | 61 |
| 表面線量率(1cm)(μSv/h) | 4.80 | 1.74 | 64 |
| 表面汚染密度(cpm) | 2,300 | 780 | 66 |
反転耕による農地の除染の具体的な流れ
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
農地における反転耕による除染作業の流れを以下に示します。
1.目的
水田や畑の除染方法として，プラウによる反転耕の作業手順を示します。
2.作業項目
- 使用機材点検
- 土壌反転
3.作業手順
(1)使用機材点検
使用する機材が想定動作することを確認します。また，安全対策が十分であることを確認します。
(2)土壌反転
プラウ付き耕運機を用いて，計画された深度で土壌を上下に反転させます。
4.使用機材
保護具（保護メガネ，半面マスク，ゴム手袋等），プラウ付き耕運機
5.留意事項等
(1)作業者は，重機の死角に近づかないこととします。
(2)放射能濃度の深度分布を把握するとともに，耕盤の深度を確認し，最適な剥反転深度を決定することが重要です。
反転耕による農地の除染の歩掛例
農地における除染方法“反転耕”の本事業における歩掛例を以下に示します。
- 内容：プラウによる反転耕（水田・畑）
- 歩掛表
名称・項目 |
仕様 |
単位 |
数量 |
【 労 務 費 】 |
|
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土木一般世話役 |
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人日 |
0.15 |
運転手（特殊） |
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人日 |
1.00 |
【 機械損料 】 |
|
|
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トラクタ 30ps |
レンタル |
台日 |
1.00 |
【 諸雑費 】 |
|
式 |
1.00 |
反転耕による農地の除染の技術評価
【除染モデル実証事業編】報告書2.4.2 除染作業結果より
反転耕による作業手順や作業性の評価等を整理し以下に示します。
整理番号 |
農地-１ |
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大分類 |
農地 |
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中分類 |
水田，畑 |
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小分類 |
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除染手法 |
反転耕 |
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内容 |
プラウによる反転耕 |
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除染方法 |
＜除染手順＞ 反転耕： プラウ付き耕運機による天地の反転 ＜除染概要＞ 必要な反転深さを施工可能なプラウ付き耕運機で天地を反転させます。 |
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主要機械仕様 |
プラウ付き耕運機 |
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環境条件 |
適用環境条件 |
汚染物質を除去する技術ではないので高汚染の農地ではリスクが残る。作土の濃度が5,000Bq/kg以下（農水省手引き）。 |
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施工制約条件 |
耕盤を壊す恐れがあることから，耕盤が30cm以上深い位置にあることが必要。 |
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評価 |
除去物 |
施工スピード （作業員数） |
1,340m2／日 （1.2人） |
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除去物発生量 |
― |
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除去物内容 |
― |
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水処理方法 |
使用水量 |
― |
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汚染水回収方法 |
― |
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回収率 |
― |
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除染係数の目安 |
DF |
1.4～2.5 |
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低減率 |
30～60% |
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コスト（直接工事費，＞1,000m2） |
33円/m2 |
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施工上の留意点 |
・放射能濃度の深度分布を把握するとともに耕盤の深度を確認し，反転深度を決定することが重要です（除染効果の確保，除去物量の適正化）。 |
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