放射性物質の動き-河川水系Radioactivity Dynamics in River System

(2015年 更新)

今後もダムに放射性セシウムが流入し、ダム湖内には汚染が蓄積し続けるのではありませんか。<ダム上流と下流の違い>

福島県・大柿ダムの調査事例では、ダム湖内に放射性セシウムとともに上流から流れてくる土砂粒子が堆積し、下流への放射性セシウムの移動が抑制されていることが確認できます。

2014年6月29日、2015年7月16日の高水時における大柿ダムの上流(地点1)および下流(地点2)の濁度変化

図1 高水時における大柿ダムの上流(地点1)および下流(地点2)の濁度変化
(2014年6月29日、2015年7月16日)

  • 豪雨時の河川水の濁度変化を見ると、大柿ダム上流(地点1)に比べて下流(地点2)は、2時間以上遅れてピークがきています。
  • 大柿ダム上流に比べて下流は、土砂粒子に起因する濁度が一桁低く保たれています。
  • その結果、大柿ダムにより土砂粒子に吸着された放射性セシウムの移動が抑制されています。

大柿ダムの上流(地点1)・下流(地点2)の観測地点

図2 大柿ダムの上流(地点1)・下流(地点2)の観測地点
※地理院地図データ(国土地理院)を加工して作成