ALPS処理水の第三者分析(今後実施予定)

用語解説



多核種除去設備(通称「ALPS」)、ALPS処理水



多核種除去設備(通称「ALPS」)は、福島第一原子力発電所で発生した汚染水に含まれる放射性物質の浄化処理を行う設備です。 ALPSなどを使い、トリチウム以外の放射性物質を規制基準値以下まで浄化処理した水がALPS処理水です。




放射線



放射性物質が放出する粒子や電磁波を放射線と呼びます。放射線はその種類に応じてさまざまな性質を持ち、それぞれ呼び名が異なります。 ALPS処理水の分析には、これらの性質を考慮し、適切な装置を用います。




トリチウム



トリチウムは、水素の放射性同位体で、3HやH-3、Tといった記号で表され、比較的低いエネルギーのβ線を放出します。 トリチウムはβ線を放出した後、放射線を放出しない安定同位体のヘリウム(3He)となります。




放射性同位体



同位体(原子核の陽子数が同じで、中性子数が異なる元素)のうち、放射線を放出する性質を持つもののことです。一方、放射線を放出しない同位体を安定同位体と呼びます。
ALPS処理水に含まれるトリチウムは、水素の放射性同位体です。




放射能測定法シリーズ



放射能測定法シリーズは、トリチウムなどの環境中に存在する放射性核種を効率よく、かつ正確に分離・定量するための方法として、国により定められている標準マニュアルです。

※:文部科学省、『トリチウム分析法』(平成十四年改訂)




ISO/IEC17025



ISO/IEC17025は、試験所や校正機関などの能力を認定する国際標準規格です。




規制基準値



原子力発電所などから環境中に放出される放射性物質の量は、国際的な勧告に基づき、人体への影響が生じない量が規制基準値として定められています。




告示濃度、告示濃度比総和



環境中に放出することができる放射性物質の濃度限度は関係法令(告示)で核種ごとに定められており、これを告示濃度と呼びます。 また、複数の放射性物質を含む場合は、核種ごとの濃度に対する告示濃度限度に対する割合を足し合わせて評価することになっており、 この足し合わせた値を告示濃度比総和と呼びます。

※:原子力規制委員会告示、『放射線を放出する同位元素
の数量を定める件』(令和二年(2020年)三月十八日)