燃料デブリの分析方法

非破壊分析・固体分析・化学分析といった様々な分析を一連で実施することにより、燃料デブリの物理的・化学的性質を解明できます。

非破壊分析 固体分析 化学分析
分析の流れ

1)外観観察

2)重量測定

3)線量測定

4)X線CTにより主に密度分布を測定

5)FE-SEM-WDXによりウランを探索

1)少量サンプルを切断、包埋・研磨

2)FE-SEM-WDXにより構成元素を測定

3)精密加工、微細加工、加工確認

4)TEM-EDXにより結晶構造を測定

5)SIMSによりウラン粒子中のウラン同位体比を測定

1)硝酸溶解・定容

2)溶解液分取・希釈

3)化学分離

4)ICP-MSにより核種・元素量を測定

X線CT装置
(構造図)
電界放出走査型電子顕微鏡・波長分散型X線分析装置
(FE-SEM-WDX)
透過型電子顕微鏡・エネルギー分散型X線分析装置
(TEM-EDX)
二次イオン質量分析装置
(SIMS)
誘導結合プラズマ質量分析装置
(ICP-MS)
分析の内容

※サンプル量により実施出来ない分析項目もある
〇外観
○重量
○線量
○表面の元素分布等

〇ウラン燃料と周辺材料(ジルカロイやステンレス鋼などの燃料構造材、等)との反応生成物(ウラン粒子等)の結晶状態

〇ウラン粒子等の結晶状態

〇放射光分析結果から、微小結晶構造やウラン価数(ウラン原子が化合物中で持つ酸化数)等評価

〇核物質や中性子吸収物質及び発熱性核種の濃度

〇主要構成元素の組成

〇微量元素を含む元素組成及びウラン同位体比

分析の目的 固体分析や化学分析での着目箇所を決定します。 事故時の炉内状況(溶融温度、冷却速度、デブリ生成時雰囲気等)を推定します。 燃料デブリの構成材料や臨界の可能性等の基礎データを取得します。