燃料デブリとは


原子炉の燃料が限度を超えて高温になったため、核燃料や周囲の構造物が溶けて、その後冷やされて固まったものを燃料デブリといいます。


福島第一原子力発電所の燃料デブリ生成イメージ


福島第一原子力発電所においては、合計約880tの燃料デブリが存在すると推定されており、その一部が写真や動画などで確認されています。
原子炉内は放射線レベルが非常に高いため、普通のカメラでの撮影が難しく、特殊なカメラを用いて撮影されました。画像においては、水の中に沈んでいるものや、一定の部分に堆積し固まった様子の燃料デブリが確認されています。


1F原子炉内の様子

堆積物など
福島第一原子力発電所内で確認されている燃料デブリ(出典:東電HP)

燃料デブリは、福島第一原子力発電所のほか、アメリカのスリーマイル島原子力発電所、旧ソ連のチョルノービリ原子力発電所でも生成されていますが、原子炉の構造や方式、事故の進展状況が異なるため、同じ性状の燃料デブリが生成されたとは言えない状況です。

ただし、スリーマイル島原子力発電所で生成された燃料デブリは既に取り出されており、JAEAでも分析を行ってきました。
過去に生成された燃料デブリを分析することで、福島第一原子力発電所の燃料デブリをどう分析していくべきかの検証を行うためです。

スリーマイル島原子力発電所(アメリカ)から取り出された燃料デブリ、
JAEAで作製した模擬燃料デブリ

JAEAではスリーマイル島原子力発電所事故で生成された燃料デブリの分析結果や、福島第一原子力発電所事故時のシミュレーションなどを参考に、模擬燃料デブリを作製。
この模擬燃料デブリを使用し、福島第一原子力発電所の燃料デブリが取り出された際に行う分析の方法や手順などを確立しました。