Q3-2-7 (2)
森林内の放射性セシウムは、樹木から地表へどのように移動するのか。
<懸濁態・溶存態としての移動>

福島県川俣町の調査事例では、樹幹流に含まれる放射性セシウムのうち、懸濁態は減少傾向がみられますが、溶存態では明確な減少傾向は認められませんでした。

  • 樹幹流で孔径0.45 µm*のフィルターを通過したものを溶存態、通らないものを懸濁態と区別しています。
    *0.45 µmのフィルター: 懸濁態溶存態を取り分けるために通常使用されるフィルター。このサイズのフィルターを通過したものを溶存態、フィルター上に残存したものを懸濁態に通常区分します。
  • 樹幹流に含まれる溶存態セシウムの供給源は、まだ明らかになっていません。
  • 樹幹流に含まれる放射性セシウムの供給源やその化学状態を明らかにするため、樹木表面に着生する地衣類に含まれる放射性セシウムと共存する元素や化学状態を調べています。

樹木表面の地衣類中の含有物を調べる(イメージ図)

出典(右図):Sasaki et al., Journal of Environmental Radioactivity, vol.161, pp.58-65 (2016年).

参考文献

1) Sasaki, Y. et al., The Transfer of Radiocesium from the Bark to the Stemflow of Chestnut Trees (Castanea crenata) Contaminated by Radionuclides from the Fukushima Dai-ichi Nuclear Power Plant Accident, Journal of Environmental Radioactivity, vol.161, 2016, p.58-65.