Q3-1-4-(1)
雨が降ると、森林から放射性セシウムは土砂とともに流出するのではないか。<大規模な降雨時の流出>

大規模な降雨の際に、森林からも土砂とともに放射性セシウムが流出します。しかし、森林内の沈着量に比べて、流出量は非常に少ない状況です。

  • 福島県内の調査事例では、森林からの放射性セシウム流出の大部分は、水に溶けた状態(溶存態)ではなく土粒子に付着した状態(懸濁態)で生じています。
  • 台風のような、年に数回程度の大雨による流出土砂が、放射性セシウムを森林から下流へと運ぶ主な要因となっています。
  • ただし、観測史上最大規模の平成27年9月関東・東北豪雨においても、森林内の沈着量と比べた放射性セシウムの年間流出率は、0.4%未満と見積もられており、大部分が森林に蓄積されたままの状況です。

森林渓流における土砂流出の様子

森林域を対象とした事故由来の137Cs流出挙動
(観測期間 宇多川上流:平成24年9月15日∼平成27年9月15日
太田川上流:平成26年1月1日∼平成27年12月31日)

出典:
・Tsuji et al., 2016, Journal of Geophysical Research: Biogeosciences, vol. 121, 2588-2599
・林ほか, 2016, 土木学会論文集G(環境), vol.72, no.6, p.III_37-III_43.

参考文献

1) Tsuji, H. et al., Behavior of dissolved radiocesium in river water in a forested watershed in Fukushima Prefecture, Journal of Geophysical Research: Biogeosciences, vol.121, no.10, 2016, p.2588-2599.

2) 林誠二ほか, 平成27年関東・東北豪雨時における河川流域スケールでの放射性Csの流出実態, 土木学会論文集G(環境), vol.72, no.6, 2016, p.III_37-III_43.