環境回復に向けた取り組みENVIRONMENTAL

第2回 国際セシウムワークショップ

第2回 国際セシウムワークショップ

日時
平成26年10月6日(月)~10月9日(木)
場所
ユニックスビル8F 第2会議室
参加者
イギリス6名、スイス3名、米国1名、イタリア1名、ロシア1名、ウクライナ1名および国内参加者含めて約65名
目的
 東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下、福島第一)事故から約3年半が経過し、現在も約13万人の方々が福島県内外に避難している状況において、放射性物質に汚染された環境の積極的な除染と自然現象による浄化作用により環境回復が進んでいることを科学的根拠に基づいて議論するとともに、森林対策、除去土壌等の適切な取り扱いやリスクコミュニケーション等、早期帰還や安心して生活できる環境の確保に向けて解決すべき課題について国内外の専門家との議論を行った。 参加者の認識の共有を図るとともに課題解決のための有効なアドバイスが得られた。

ワークショップの成果概要(発表および議論に基づいて)

【セシウムの環境動態評価】

 除染されずに残る7割を占める森林からの河川、河口へと至る放射性セシウムのふるまいについて調査・評価が進展しており、得られた知見に基づく環境回復への反映の仕方について議論が集中した。 放射線の観点からは長期的には自然減衰や環境浄化作用に期待するとともに、短期的には人為的な対策(ダムの管理等)は環境回復を促すものを適切に選ぶことが重要であるとの認識が共有された。 森林では5cmまでの表土にほとんどの放射性セシウムが留まり、土壌侵食に伴う放射性セシウムの移動は0.2~0.5%程度と限られていること、農地では農作物への放射性セシウムの移行抑制に生育初期のカリウムの堆肥が効果的であること、河川では淡水魚の放射性セシウム濃度は時間とともに低減していること等について認識が共有された。 また、放射性セシウムの移動に関わるモデルは、河川敷等への堆積挙動やそれに伴う被ばく評価に必要であり、実測データを活かしたシンプルなものが現象を適切に説明しやすいこと、モデル評価に必要な実測データの信頼性を高めるには、特にサンプリングに注意が必要であること、質の高い学術誌への論文投稿等が推奨された。

【森林対策】

 福島県内の森林の調査に基づき、放射性セシウムのほとんどが森林内の表土に留まっており、樹木内への新たな放射性セシウムの積極的な吸収については、明確な結果が確認されていないことについて認識が共有された。 森林内でのデータの蓄積を図るとともにサンプリング方法や頻度に注意すべきこと、特に林業の再生等の観点からの根からの樹木へセシウム吸収については、チェルノブイリの例を踏まえれば事故後4~10年程度から生じる可能性があることから調査を強化すべきこと、除染をしない森林については、森林保全のための管理方策(間伐等)や空間線量等を予測・評価し、住民に伝えること、森林の表層に留まる放射性セシウムを蓄積する性質があるきのこについては、種類に応じて根の深さが異なることから、きのこを適切に分類して放射性セシウムの蓄積量を調査すべきこと等が推奨された。

【除去土壌の減容】

 仮置場については、当初予定した3年を超える期間の安定性の観点から継続的なモニタリングが求められること、除染においては除去土壌をできるだけ発生させない方法を選ぶとともに、除去土壌の減容するためには再利用が不可欠であること、例えば、建設資材への再利用のためには粘土や有機物の含有量に応じて、処理や再利用のプロセスを考えるべきこと、再利用のためには規制の変更と住民同意が必要であること等が推奨された。

【トリチウム水の扱い】

 福島第一から生じる汚染水処理後のトリチウム水の扱いについては、膨大な数のタンクの寿命を考慮すると速やかな対応が求められること、海外でも大量のトリチウム水が沿岸に放出されてきたが、モニタリングの結果、健康へのリスクはないことが立証されてきたこと、地中放出などの例はあるが、時間とコストの点で現実的ではないこと等、トリチウムに関する科学的・技術的事実を住民や漁業関係者に知らせる努力をすべきであることが推奨された。

【住民とのコミュニケーションのあり方】

 環境回復に関わる課題解決には住民とのコミュニケーションが鍵であり、環境回復の全体像を踏まえ対策に関わる可能な選択肢について、時間、コスト、環境影響等の観点からのリスクとベネフィットを対で簡潔にわかりやすく住民や関係者に説明する積極的な努力を継続することが推奨された。わかりやすく説明する努力は除染と同じように重要である。

発表資料(英語)/Presentation document

リンクは、PDFファイルを使用しております。PDFをご覧いただくためには、PDF閲覧用ソフト Adobe Readerが必要です。 Adobe Readerは、Adobe社のホームページから無料でダウンロードできます。